麻雀界の“1000万円プレーヤー”へ 41歳元Jリーガー、二刀流&海外挑戦で目指すパイオニアの道
ブラジル挑戦の“デメリット”はリーグ戦欠場による減点
今回のブラジル遠征では、クラブが拠点を置き、約2万人の日系人が在住するロンドリーナの大学で講演を行ったほか、11月にはサンパウロで行われたブラジル麻雀協会主催の麻雀大会に参加し、ブラジル人や日系人と交流した。田島は「サッカーと麻雀の二刀流に挑戦している僕だからできること」と自負する。 「ブラジルでは健康麻雀の会員が300人ほど。日本式が採用されていて、『ロン』『国士無双』とか日本語でやりとりが行われています。今後はブラジル麻雀協会と協力し、ロンドリーナで日系人はもちろん、ブラジル人と麻雀で交流しながら、普及活動に尽力していきたいと考えています」 ただし、サッカー選手兼ダイレクターとしてのブラジルでの挑戦は、麻雀面での影響もある。海を渡っている間は日本でのリーグ戦に出場できず、どんどんペナルティーが科されていくのだ。所属する麻雀プロ団体「RMU」にはA、B、C、Dまでリーグがあり、田島は「D-2」から「D-3」へ降格となってしまった。 「ブラジルに行っている間にリーグ戦を休まざるを得ず、不戦敗でマイナス30ポイントがどんどん科されていきます。麻雀プロは、リーグ戦に出るのは大前提。“二刀流”の難しさを感じています。RMUの幹部の方は『体が動くうちはサッカーをやっておいたほうがいい』と言ってくださる反面、ブラジルに行きっぱなしだと麻雀が中途半端になってカテゴリーを上げることは難しく、成績的にはMリーグがどんどん遠のいていく。最低限リーグ戦に参加できるように、順位や点数を計算・意識しながらブラジルに行く時期が見極めないといけません」 田島が目指すMリーグは、最低年俸が推定400万円、エース級は年俸1000~2000万円とも言われる。しかし、プロ雀士が約3000人いるのに対し、最高峰の舞台に立てるのはわずか36人(全9チームで4選手ずつ)しかいない。なぜ、そんな“狭き門”に挑戦するのか。 「プロ雀士の方々は、『Jリーガーになるほうが絶対に難しい』と言ってくださる。僕自身、Mリーガーになるのがこんなに難しいことだとは最初は思わなかった。でも、同時にやりがいもある。みんなYouTubeをやったりして副収入を得ている中で、麻雀だけで(Mリーグ最低年俸の)400万円もらえるのは多いし、1000万円稼いだらすごいこと。麻雀界も、いずれサッカーのようにMリーグの下部リーグができるかもしれない」