延長10回、3時間超の熱闘も1点差で惜敗…初の決勝逃すも近大福岡の背番号10のエースが力投【高校野球福岡大会】
◆第106回全国高校野球選手権福岡大会準決勝 西日本短大付4―3(延長10回)近大福岡(22日・北九州市民球場) ■福岡大会24日決勝、進出したのは…【トーナメント表】 延長10回、3時間12分に及ぶ熱闘の末に1点差で敗れた近大福岡は初の決勝進出を果たすことができなかた。準々決勝で九州国際大付を完封したエース田邊周(3年)が先発したが、5回2死で2失点で交代し左翼の守備についた。しかし2番手の山本光二郎(3年)が1死を取って5回の守備を終わらせると、6回は再び田邊がマウンドへ。8回の先頭打者に安打で打たれると再び別の投手交代したが9回に再々登板した。だが9回1死で131球を投げたところで体は限界となり、永嶋麗生(3年)と交代しベンチに下がった。 「準々決勝で右手人さし指のマメがつぶれて投げられるような状態じゃなかった」と肘井利一監督はエースの状態を説明する。指の痛みをこらえ8四球と制球に苦しんだが、9回に交代するまで西日本短大付の強力打線を2点に抑える粘りの投球でチームを鼓舞した。「最少失点で抑えられてよかった。最後は下半身も動かなくなった」とマウンドを降りるまでエースは力を振り絞った。 エースの2度の再登板について肘井監督は「主将でエースの田邊がチームの軸。ほかの投手が投げているのを見て奮起してギアを上げてほしかった」と初の決勝進出を田邊に託していた。昨夏、準々決勝で敗れて新チームとなったとき、主将でエースの大役を任せた田邊と「来年の夏は63イニング(2回戦から決勝まで7試合分)投げ抜こう」と話した。田邊は初戦から準決勝までの全6試合に登板し46回⅔を投げチームを引っ張ってきた。最後の試合はみんなでつないで10回まで戦い抜いた。「ピンチの時に自分かわってゼロに抑えてくれたので、みんなよくやってくれた。ありがたかった」。主将の背番号「10」を背負ったエースは過去最高の4強の成績を残して次のステージに旅立つ。(前田泰子)
西日本新聞社