現在55歳ですが、「パワハラに耐えられず」仕事を辞めます。「貯金100万円」でどれくらいの期間生活できますか?
なんらかの理由で、定年退職前に仕事を辞めざるを得ない状況もあるかもしれません。 年金が受給できる年齢の前に退職してしまうと、生活費は貯蓄でまかなわなくてはなりません。 しかし、十分な貯金がない場合には、どれくらい生活できるのかと、不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。 そこで今回は、毎月の平均消費支出額を基に、貯金100万円で、どれくらいの期間生活できるかを解説します。 貯蓄では足りない場合に、どうすればよいのかについても解説しますので、ぜひお読みください。
1ヶ月あたりの平均消費支出額
まずは、1ヶ月あたりの平均消費支出額を見てみましょう。 総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)」による平均消費支出を、表1にまとめました。 表1
※総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」を基に筆者作成 貯蓄100万円で表1の支出をまかなうのであれば、二人以上の世帯で約3ヶ月半、単身世帯で約6ヶ月しか生活できません。 冠婚葬祭や病気・けがなどが発生した場合には、もっと早くに貯金がなくなってしまうでしょう。 あくまでも平均値による計算ですので、自分たちの支出が月にいくらなのかを把握しておくことが大切です。 同資料による2022年の総世帯における消費支出のなかで、割合が多い項目(その他を除く)を挙げてみました。 ・食料:6万7937円 ・交通・通信:3万3522円 ・教養娯楽:2万4396円 ・光熱・水道:2万400円 ・住居:2万342円 消費支出額のなかでも「食料」が最も多く、次いで「交通・通信」「教養娯楽」となっています。 節約するのであれば、支出の割合が多い項目を見直すことが大切です。 自炊して食費を減らすとか、通信費や光熱費のプランを見直して固定費を削減することが有効です。
生活費の確保のためには収入を得る必要がある
平均値で計算すると、貯金100万円だけでは1年も生活できません。 生活費の確保のためには、収入を得る必要があります。 近年では、40代以降の方の就職を応援する求人サービスや支援が増えています。 このようなサービスを活用することで、再就職することは可能でしょう。 しかし、パワハラによる退職となると、次の職場への不安は大きいかもしれません。 ハローワークなどを利用して、退職した背景を相談しながら、無理のない範囲で仕事を探すことがポイントです。 また、年金を受給する年齢を早める「繰上げ受給」を利用する手段もあります。 繰上げ受給では、60歳から65歳までの間で、年金の受給を開始できます。 ただし、繰上げ受給を申請した時期に応じて、年金が減額されてしまう点には注意しましょう。 さらに、繰上げ受給を利用するにしても、60歳までの収入を確保しなければならないため、どちらにせよ就職を視野に入れる必要があるでしょう。