福岡第一の井手口コーチが今大会と2024年を総括…「みんなに100点満点をあげたい」
12月28日、高校バスケの日本一を決める『SoftBank ウインターカップ2024 令和6年度 第77回全国高等学校バスケットボール選手権大会』の男子準決勝が東京体育館メインコートで行われ、前回王者の福岡第一高校(福岡県)と鳥取城北高校(鳥取県)と対戦。 前半は34-41と食らいついたが、第3クォーターの得点は9と、後半に走り勝つ福岡第一の本来の姿が見られない。逆に後半は24-40と突き放され、58-81で敗戦。今回を3位で終え、2年連続6回目の優勝は果たせなかった。 メディア対応の第一声で「完敗です」と語った福岡第一の井手口孝コーチ。「これは言い訳になりますが」と前置きをして、「昨晩、体調不良者が出てしまい、ちょっとだめでしたね」とほぞを噛んだ。体調不良に陥ったのはキャプテンの八田滉仁とPGの宮本聡。今日の午前中の練習を休ませ回復に務めたが、八田については「コートになんとか立たせただけ」という状態だったという。 井手口コーチは「城北さんは留学生も含めて5人ともシュート力があるので、しっかりマンツーマン(ディフェンス)で守ろうと思っていました。前半はそこそこ守れたのですが、八田と(宮本)聡が万全ではないので点が取れず。周りも逆に固くなってしまった」と、試合を振り返った。 鳥取城北とは今年初対戦。「昨晩は選手たちのケアに追われて、スカウティングも十分にはできませんでした。そういう面で準備不足は否めず、そういうことをしっかりやらないと(今年は)勝てないチームなので、子どもたちに申し訳ないですし、私の不徳のいたすところです」と、選手たちへ謝意を示した。 2024年は今日の試合が最後となった。1年を振り返った井手口コーチは、「ケガなど色々ありました。5人がそろってちゃんと練習できたのは12月になってから。そのような状況の中、3年生の八田と(宇田)ザイオンが下級生の力を借りてチームを引っ張ってくれました。サイズもないし、中学時代から全国に知られている選手もいない中、みんなで努力して3位という成績は上出来というか、ベンチメンバーも含めて100点満点あげていいと思います」と総括するとともに、選手たちの頑張りを評価した。 来年の新チームについては、「今年2年生が良い経験をしたと思うので、(大会の)最終日に残れるように頑張ります。今年は結局5人でしか戦えなかったので、今日の城北さんや(福岡大学附属)大濠さんのように選手が交代しても(チーム力が)変わらないように育てられればと思います」と前を向いた。 「色々と試してみます」と語る名将の目は静かに燃えているようだった。 文=入江美紀雄
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