鞘師里保、モー娘。卒業から9年…表現の軸は「おもしろがること」
■モーニング娘。卒業後の9年は「充実」
モーニング娘。のエースとして活躍した鞘師がグループを卒業したのが2015年。約9年の月日が流れたが、鞘師本人も「もうそんなに経つんですね。あっという間に感じます。少しは成長しているかな(笑)」と茶目っ気たっぷりな表情を浮かべる。 「お仕事を始めてから“自分のイメージを固めなければ”という意識が強くて、そこをはっきりさせることに集中していました。今は、その考え方を取り外して、“選択肢は自由にある”という意識が持てるようになってきました」 その境地にたどり着くまでに、「やりたいことを口に出すのも恥ずかしかった時期もあった」と明かす。 「10代の頃に一度突き詰めてしまったため、活動を広げるのが怖くなっていました。26歳になった今は、逆にもう“自由すぎてどこから選ぼう”と迷うくらいやりたいことがありますし、どれを選ぼうかと悩みます。自由になったのは良いことも悪いこともありますけど、良い形で活動できているのでは。それは考え方の成長かなと思います」 変化のきっかけは周囲のサポートなどもあるが、大きな転機のひとつになったのは海外留学だった。 「海外留学で視野が広がったなと感じます。でも、大きな選択をすることで迷惑をかけてしまう部分もありました。“ごめんなさい”という気持ちはもちろんありますが、選択して良かったと言える“今”を過ごせています。すべてがつながって“今”があると思っています。(卒業してからの)この9年も、充実していたことには間違いないです」 2020年9月に芸能活動を本格的に再開してから4年。ソロ活動を通じて、捉え方や向き合い方の「種類が変わった」としつつ、「気楽さとプレッシャーはどちらもありますが、楽しいを更新できていると思います」と笑顔を見せる。 ■俳優として“修行中”も「役名で認識されたい」 松岡茉優との共演願望は? 現在はアーティストとしてだけでなく、俳優としても活動の場を広げているが、当初は俳優業に「あまり積極的な気持ちではなかった」という。 「ある時期、いろんな方から『お芝居をやった方がいいのでは』と言っていただくことがあって。機会を与えていただいたのに拒否する理由はありません。もともと好奇心旺盛な性格ですし、チャレンジさせていただきました」 俳優としてもキャリアを重ねる中で変化を実感している。 「最初は苦しかったけど、“これで合っているのだろうか”といった、わからなさがおもしろいとお芝居を始めて感じました。まだ修行中ですが、どんどん楽しくなってきているところです」 表現の“軸”を聞くと、「作品がどう届くかが重要」と前置きし、「どう考えてお芝居をするかとか曲を作る過程とかを楽しむ、おもしろがることが活動の重要な部分かなと思います」と持論を述べる。 俳優としての夢に関しては、“代表作”、“当たり役”への想いを口にする。 「鞘師里保として見てくれているのはもちろんうれしいことですが、たとえば“『十一人の賊軍』のなつの人”のように、役名を通して私を認識してもらえることが夢です」 共演してみたい俳優はという質問に、「ご一緒できてよかったなという方ばかりなので、誰かに絞るのは難しい」と頭を悩ませつつ、「満島ひかりさん。さらにさらに見続けたいお芝居をされる、素敵な方だなという印象が強いです」と答える。 自身を“推し”と公言する松岡茉優はと投げかけると、「尊敬できる部分しかない方ですけど、お互いどう接したらいいかわからなくなると思います」と照れ笑い。そして松岡と“芝居談義”を交わしたことを明かす。 「吸収できるところばかりなので、ご一緒させていただけるならうれしい。ただどうやって一緒に過ごそうかな(笑)。実は今回の映画の撮影をしている間に、松岡さんとお仕事させていただく機会があって、そのときにお芝居について相談させていただきました。作品では共演はしていませんが、すでに刺激をいただいています」