マレーシア25年予算案、歳出は過去最高 増税で赤字縮小へ
Danial Azhar [クアラルンプール 18日 ロイター] - マレーシアのアンワル首相兼財務相が18日発表した2025年の予算案は、歳出が前年比3.3%増の4210億リンギ(980億ドル)と過去最大になった。 一連の増税と燃料補助金の削減などを通じ、財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は3.8%と、24年の推計4.3%から縮小すると見込んでいる。 政府は今年、軽油や電気料金、鶏肉などへの一律補助金をやめ、必需品に的を絞ったアプローチに切り替えた。アンワル氏は、25年半ばにはレギュラーガソリン「RON95」への補助金も廃止すると発表した。 歳入面では、来年5月から売上税とサービス税を段階的に拡大し、商業サービスや必需品以外の商品、サーモンやアボカドなどの高級輸入品を対象に加える。 また10万リンギを超える配当収入に2%の税金を導入し、多国籍企業への課税を強化する国際課税ルール「グローバル・ミニマム課税」を実行することも提案した。 肥満や糖尿病の比率を抑えるために加糖飲料の消費税を引き上げるほか、26年までに鉄やエネルギー産業を対象とした炭素税を導入する。 ただ、不人気で廃止された物品・サービス税(GST)を復活させる計画は発表しなかった。一部のアナリストは、政府の中期目標である財政赤字比率3%を達成するにはGSTの復活が必要だと指摘している。 アンワル氏は他に、現在は月額1500リンギの最低賃金を、来年2月に1700リンギへ引き上げる計画を示した。