帰還中のはやぶさ2は今 JAXA会見(全文4完)砂対策は今後考える必要がある
今、イオンエンジンを調べていいよと言われたら?
東京とびもの学会:とびもの学会、金木です。すいません、再度失礼いたします。細田さまにちょっと、技術者の視点としてのご質問になるんですけれども、「はやぶさ2」のプロジェクトを少し離れて、今例えば「はやぶさ」の近くまで行って、イオンエンジンをどこか1つ重点的に調べていいよって言われたらどんなところを調べてみたいですか。 細田:1つしか駄目なんですか(笑)。 東京とびもの学会:じゃあ2つ許しましょうか(笑)。 細田:ありがとうございます。もちろん気になるところは山ほどあるんですけれども、やっぱり実際に地上実験では、國中先生がまだ「はやぶさ1」のエンジニアのころ、延べ4万時間近いような耐久試験を行って、「はやぶさ」の1号機を打ち上げたのに、中和器が思いがけず早く劣化したってことがありました。なので、われわれが想定してる実験環境と宇宙環境がどれぐらい違うのかっていうことを中心にぐるぐる、なめるように見たいと思っています。特にやっぱり中和器っていうのはこちらも、それを受けて6万時間の耐久試験をしたようなものですので、もしかなうなら中に光ファイバーでも突っ込んで写真いっぱい撮りたいと思っています。 東京とびもの学会:ありがとうございます。 司会:では次のご質問ある方。真ん中の前から3列目の方。
リアクションホイールを変えたのが大きいのでは?
村沢:フリーランスの村沢です、どうも。イオンエンジンの質問ではないんですけれども、今回成功した大きな原因の1つで1号機と比べて、リアクションホイールが非常に問題なく動いているということもあるんじゃないかと思うんですね。初号機と比べて、今回うまくいってるというのはリアクションホイールを初号機から変えたということが大きいんでしょうか。 久保田:初号機のときはちょっとリアクションホイールがトラブルがありまして、個数を1つ増やして4個にして、かつ往路でなるべく、燃料の節約と同時に、リアクションホイールに負荷を掛けないような運用もしてきましたので、大事に大事に使ってきたっていうのもあります。バックアップもありますし、そういう点もありますし、やはりミッション期間を十分長く取ったので、十分検討する時間も取れましたし、イオンエンジンも11月前から準備をしてきたっていう。やはり準備を周到に行ってきたっていうところが1つ無事、テストも試運転もできて、第1期も無事に。 村沢:ありがとうございます。 司会:では一番前の方、次のご質問をお願いします。