浅田真央が世界選手権で演技する理由
完璧な練習での動き
さいたまスーパーアリーナで開催される世界選手権に向けて調整中の浅田真央がSPを2日後に控えた25日、本番リンクでの公式練習と記者会見を行った。 世界中に感動を巻き起こしたソチ五輪から帰国した際、現役続行について聞かれ、「ハーフハーフ」と答えてからちょうど1カ月。今大会が現役最後の公式戦になるかもしれないヒロインは、自身8度目となる世界選手権でどんなストーリーを演じ、どのような結論を得ることになるのだろうか。 公式練習では、有料チケットを買って見入る熱心なファンの姿があった。約1500人の観衆は、会場に浅田のSPの曲であるフレデリック・ショパン『ノクターン第2番』の音楽が流れると、居住まいを正すようにしながら視線を浅田に注いでいった。やはり、最後になるかもしれないという思いが人々の視線を一層熱くしているようだ。 練習での浅田の集中力は冴えていた。曲に乗って演技をスタートさせると、冒頭のトリプルアクセルをしっかりと着氷。3回転フリップも無難に跳び、後半の3回転―2回転ループのコンビネーションジャンプではさらに軽やかに宙を舞った。通しで演じたSPプログラムはまさに完璧だった。 曲が流れていない時間帯にもトリプルアクセルを2度跳び、いずれも成功。しなやかな腕や上半身の動き、表情も含めてすべてが明るく、「氷の状態も自分の体の状態もいい。中京でやっているときの体の状態になっていると思う。いつもと変わらない状態で試合を迎えられる」と、会見でも演技同様に軽やかな笑顔を見せた。 ソチ五輪のプレシーズンである昨季の最終戦(国別対抗)後。「ソチ五輪を集大成としていい演技をしたい」と語り、報道陣から「来季で現役を引退するという意味なのか?」と尋ねられると「今はそのつもりです」と答えた。 ソチ五輪での演技終了後にも「今はバンクーバーへの自分へのリベンジができたという思いだけ。(4年後については)考えていないですね」と話していた。