北海道壮瞥町が免許不要な四輪EVの実証実験を開始! バスの代替として活躍できるのか?
■バスの代替になりうるのか?
メーカーの希望小売価格は税込み328000円だが、全国的にバス路線が廃止の危機にさらされている現状では自衛するしかない地域も多いだろう。特に鉄道や地下鉄、路線バスの便が期待できない地方で免許を返上してしまった高齢者の移動問題は深刻だ。 高齢者の移動として代表的なものは通院と普段の買い物だが、都市部の病院のように無料巡回バスを走らせてくれる病院が多いとは言えず、ネットで買い物をして自宅まで当日中に配達してくれるサービスを行っている店舗がなければ自分で行くしかない。
■距離や天候の問題も
そのためにこのような移動手段を選択肢として示すのは一つの解決方法としては実証する価値はあるだろう。北海道のような広大な地で通院や買い物にどれだけの距離を移動するのかは定かではないが、いずれにしても地方だとかなりの距離を走ることになろう。 時速20キロメートルの特定小型原付で連続して乗れるのは、せいぜい数キロメートルだろう。着座できることを考えても片道10キロメートルでも現実的ではない。降雨、降雪時にはなおさらだ。航続距離は問題ないとしても、それいっぱいに走ることはできないだろう。
■結局は路線バスに帰結してしまう
ある条件下では免許返納者の救世主にはなっても、一時的な観光客の足としては有用な選択としても、恒久的に選択されうるかといえば難しい感もある。 一時的にこういった施策で実証を積むことは大切なことで、やむを得ない選択なのかもしれない。しかし、最終的には人が住んでいる限りは移動手段は必要なので、駅や病院、商業施設までのフィーダー路線としてバスはなくてはならない交通インフラであることは言うまでもない。 鉄道よりも復活は容易だとしても、交通機関というのは廃止されてしまえば旅客数の減少という理由がほとんどなので、二度と戻らない傾向にある。現在は運転士不足が廃止や減便理由の第一にあがっているが、それも赤字が著しい路線から廃止されるのは当然の判断だ。 免許が不要なのは不要な理由があるからであり、本格的な移動手段として定義されるのかどうかは、現状に追い付いていない交通政策や立法措置の迅速な検討が必要だろう。