【湘南に引き分けるも、反撃態勢を整えるJ1川崎(1)】山田新が大島僚太に「ちょっと上からになりますけど…」と語った“先輩愛”。「復帰戦で勝っている状況で、出させてあげたかった」
■「復帰戦で勝っている状況で、出させてあげたかった」
一方でアシストのシーンに象徴されるように、闘志を前面に押し出した、迫力あるプレーで川崎をけん引した山田は自らを責めた。 「チームを勝たせたい気持ちはあった分、最後のところで丁寧にいくとか、冷静にキーパーの位置を見極めるとか、シンプルに自分がゴールを決められる場面もあった。そこのジャッジは、もっとクオリティーを上げていかなきゃいけない」 際と並んでチーム最多の4本のシュートを放った。しかし、16分と21分に訪れた決定機を、湘南のGKソン・ボムグンのファインセーブで立て続けに阻まれた。 山田はここまでリーグ戦で全試合に出場し、チーム最多の5ゴールをあげている。しかし、先発は湘南戦が6度目。途中出場だったアルビレックス新潟との前節で、後半終了間際に起死回生の同点ゴールを決めた直後には敵地で吠えまくった。 そんな気持ちを持つだけに、こんな言葉を紡いでいる。 「復帰戦で勝っている状況で、出させてあげたかったというか。ちょっと上から目線の言い方になりますけど、そういった余裕のある状況を作りたかった」 前半戦を連勝なしで終えるなど、苦戦を強いられる川崎を自身のプレーで、ゴールで勝たせたいと貪欲に願うストライカー。その視線は同点とされた直後の80分に、自身との交代で361日ぶりにピッチに戻ってきたMF大島僚太へ向けられていた。 (取材・文/藤江直人) (後編へ続く)
サッカー批評編集部
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