<柳楽優弥>「ライオンの隠れ家」で共演、坂東龍汰の印象明かす 「俳優としても日に日に好きに」 撮影現場で多くの学び
--演じる洸人について教えてください。
洸人は今のこの凪(なぎ)のような生活、安定したこの現状を極力変えたくないと思っていて、そこにライオンが現れ、新たな一面を知る可能性が出てきたり、 実は自分が成長するきっかけになっていくと感じます。
家庭環境に対しても、外で打ち明けたくなくて、洸人なりに少し生きづらさみたいなものを感じていると思います。彼のそういった部分が、ライオンと出会ったことで徐々に成長していく様子をしっかり演じたいですし、あまり重くなりすぎず、監督といいバランスを見つけて慎重にやっていきたいと思っています。
--大空くん演じるライオンとの撮影で、楽しかったことや、大変だったことがあれば教えてください。
テストから本番までのリズムが大人同士での撮影とはまた違うという点はありますが、作品の内容と重なり、大空君のペースに合わせる僕たちの感覚もその役柄に近いと思います。
大空くんは演技が上手という言葉で収まりきらないような……不思議ですね。絶妙なんですよね。 感心する面も多いです。集中する時はみんなでちゃんと集中するよって切り替えられるので、 1人1人が少しずつ成長できる現場になったらいいと思っています。
--ライオンがやってきて、坂東さん演じる美路人がパニックを起こしてしまう、という重要なシーンがありました。柳楽さん自身は、あのシーンで準備していたことはありますか。
現場で監督と坂東くんと「こういうのどうだろう」「もしこうやってみたらどうなりますか」などとアイデアを出しあっていました。いろいろな家族の形がある中で、乗り越えることや向き合うこと、それぞれにあるのかな、と思います。小森家にとって、美路人の安定が洸人にとっての安定になっていたりして。
そのシーンで僕が感じたのは、家族の関係性は早いスピードで進化はしないということ。1つ1つ丁寧に乗り越えたり、時には強引に乗り越えたり。僕自身はこのシーンがあることによって、今まで撮ったものが腑に落ちました。