「溝はあるけれど…」タイヤの交換、いつするのがベター?
■溝はあるが、年数が経っている
また溝の深さのほかにも、タイヤのトレッド面や側面にヒビや亀裂があったり、偏摩耗を起こしてタイヤ内部の構造物が露出していないかなども、安全性能にかかわる重要な確認ポイントです。 タイヤのトレッド面や側面のヒビや亀裂は、バースト事故などの原因ともなります。また偏変摩耗は、その面が地面に接する機会が多いということです。タイヤの内側には溝が残っているからと言って、そのまま使い続けるのはもちろんNG。早めにタイヤ交換することが必要です。
加えてタイヤには使用期限があり、その目安を「使用開始から5年」としているタイヤメーカーが多くあります。例えばミシュランでは、5年以上使用したタイヤは、さまざまな路面を走り、衝撃を受けているため、使用開始から5年が経過したら、年に1回はタイヤ専門店で点検を受けること、と説明しており、点検でタイヤに深刻なダメージが確認出来たら交換対応することとしています。 また、残り溝が十分にあっても製造から10年を超えた場合は、タイヤ交換をするように推奨しているタイヤメーカーがほとんどです。なお一度も使用していないタイヤであっても、タイヤのゴムは柔軟性がなくなり、ひび割れなどの症状が発生している可能性が高いためです。
■タイヤの寿命と交換時期を延ばす方法
タイヤメーカーは、タイヤの寿命や交換時期を延ばすための方法も指南しています。 例えばブリヂストンによると、1.乗車の前には、タイヤに傷や残り溝、空気圧不足がないか必ず点検すること(必要ならば整備や位置交換をおこなう)、2.月に1度は空気圧点検をすること(冷感時)、3.タイヤ位置交換やアライメントで摩耗を均一にすること、4.使用しないタイヤは涼しく暗い場所でタイヤカバーを掛けて保管すること(ホイールに組み込んだ状態で保管する場合は空気を少し抜きタイヤにかかる負担を減らす)、5.急ブレーキや急ハンドル、据え切りハンドルは控えることで、タイヤの交換時期を延ばすこともできます。 タイヤを交換するタイミングの判断は難しくはありません。正しい知識で、正しく運用をして、安全第一のカーライフを過ごせるよう、タイヤを思いやる運転を考えていきましょう。 Text:吉川賢一 Photo:AC,getty images