虎のソナタ 久々のタテジマも変わらずカッコイイ! 藤川球児監督は「おなか出てます」と言うけれど…
ついに「背番号22」のお披露目だ。それにしても、まったく変わっていない。引退から4年しかたっていないとはいえ、こうも変わらずにカッコいい雰囲気をまとえるものなのか。久々にタテジマに袖を通した藤川球児新監督が、秋季練習をスタートさせた。 【写真】背番号22のユニホームを身にまとってグラウンド入りした阪神・藤川新監督 「あぁ、藤川球児やなぁ…と思ったな。本人は『おなかが出てます、引っ込めてます』とも話していたけど、体形もそのままやった。たくさんの選手に話し掛けている姿を見て余計に現役の頃のままだなぁと思ったわ」 ベテラン虎番のビヤ樽こと三木建次も感心していた。この男はその名の通り、もうおなかを引っ込めることすらできない「ビヤ樽体形」。でも、どちらかといえばそれが普通の〝おじさん〟で、球児監督のスタイルがかっこ良すぎるのだ。 勝手に〝違和感〟があったところを一つだけ挙げさせてもらうならば、現役時代の藤川投手は外野のフェンス際や芝の上で練習することが多かっただけに、本塁の打撃ケージ付近に立っている姿が「珍しいなぁ」と思ってしまったくらいだろうか。コーチと話し込み、投手とも野手ともコミュニケーションを取ろうと、広い甲子園を所狭しと動き回っていた。そんな機敏な青年監督を見て、ビヤ樽は戦々恐々としていた。 「秋季キャンプでもあちこち動き回るんやろうか。安芸の球場は坂が多いし、階段の上り下りも大変なんやけどな…。球児監督を追いかけて動き回ったら、ボクもおなかが引っ込みそうやけど」 何度も言うが、そんなに簡単に引っ込むおなかではないから安心しなさい。日程もこの日発表され、阪神は11月1日から高知・安芸市で秋季キャンプに臨むことになったが、ビヤ樽は「安芸の階段」には嫌な思い出がある。若かりし頃、急いでスタンドの階段を下りようとしてつまずき、漫画のように転がり落ちたことがあるのだ。あまりに派手に転んだので、球場中の人が「なんだ!?」と騒然とし、なんと球団のために高知を訪れていたチームドクターが急きょビヤ樽を診てくれた。球団関係者に「キミみたいなのがこんな有名な大学のセンセイに診てもらえるなんて! しかもタダで!」とこっぴどく叱られながら…。そして、タフさが自慢のビヤ樽は奇跡的に「右足首の捻挫」だけで済み、センセイは優しくテーピングを施してくれた。わが社としても関係者の皆さまにおわびするしかない〝恥ずべき過去〟だ。 30年ほどがたち、ビヤ樽は還暦を迎えて、さらに機動力が落ちている。なのに24日に迫ったドラフト会議では、東京のドラフト会場を自ら願い出たのだという。ご近所に住む仲良しのデスク、阿部祐亮が「東京だと、関東近郊や東北の選手が指名されたときに飛び出す可能性もありますし、代わりましょうか?」と言ってくれたが「年寄り扱いするな!」と突っぱねたのだという。年をとると人は頑固になる。つける薬もない。