【解説】都知事選 小池氏が出馬表明へ…周辺は「後出しジャンケン」有利
小池都知事が12日に出馬表明へ。なぜ?このタイミングなのか、3つのワケを解説する。
■小池氏周辺「都知事選は後出しジャンケンが有利」
小池氏をめぐっては、先月29日の都議会定例日で出馬表明するのでは、との見方があった。ある小池氏周辺は「出馬表明を検討していたが、蓮舫氏の突然の出馬表明を受けて取りやめたのでは」と分析。その理由について「都知事選は後出しジャンケンが有利というのは常識」と説明した。 過去の都知事選の出馬表明のタイミングを見てみると、前回2020年の小池氏は告示日の6日前、2014年の舛添要一氏は9日前、2012年の猪瀬氏は告示日の8日前と、他の首長選挙と比較しても都知事選は出馬表明が直前になることが多かった。 この理由について、都知事選に何度か関わったことのある選挙関係者は「無党派層が多い東京都知事選は、ギリギリに出馬表明をして強いインパクトを与え、その勢いのまま投票日に突入するのが効果的だから」と解説。 12日の出馬表明となれば、告示日の8日前。小池氏周辺も「これ以上遅くなると準備が間に合わなくなる。後出しジャンケンのギリギリのタイミング」と理由を語った。
■都民ファ関係者「蓮舫氏の勢いが続くか見極めた」
もう1つの理由について、ある都民ファーストの会関係者は「蓮舫氏の勢いが続くかを見極めるため」と語った。先月27日、蓮舫氏の突然の出馬表明。出馬表明会見では「反自民、非小池、東京都政のリセットが私の使命」と訴えた姿をみて、小池氏周辺は「蓮舫氏への『追い風』、小池氏への『逆風』の突風が吹き荒れた」「出馬表明するタイミングは、突風がどうなるかを見極めて判断したかったのだろう」と分析しています。 ある自民党の都連関係者も「蓮舫氏に対して『批判は得意だが、新たな政策がない』という見方がひろがったのをみて、小池さんもいけると思ったのでしょう」と分析している。
■自民党関係者「裏金事件の影響、自民との距離を見極めていた」
3つ目の理由について、ある自民党関係者は「小池さんは、この所の選挙で自信を失っていた」「自民党の裏金事件の選挙への影響を気にしていた」と指摘。 というのも、特に東京の首長選挙で「連勝」してきた小池氏の勢いは今年に入り失速していた。4月の衆院東京15区の補欠選挙、目黒の区長選挙、そして都議補選と小池氏の応援した候補が3連敗する事態となった。この事態を立憲関係者は「選挙で強い小池神話が崩壊した。裏金事件、小池都政への逆風が強まっている」と分析。蓮舫氏の都知事選出馬の追い風となった。