為替介入の目的は「ドル安・円高トレンドへの転換」ではない ~為替介入の仕組みと効果について【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
介入目的は相場の急激な変動の抑制で、安定すれば効果あり、介入判断はボラティリティが重要
なお、円資金の決済について、日銀当座預金内で外国銀行の円建て口座から国内銀行の円建て口座への振替が行われても、日銀当座預金残高は変化しませんが、国内銀行の円建て口座から外為特会へ振替が行われた時点で日銀当座預金残高は減少します。資金決算は介入実施の2営業日後に行われるため、短資会社による日銀当座預金残高の予想値(介入なしの前提)と日銀による予想値との差額が、為替介入の実施額と推測できます。 介入の目的は前述の通り、相場の急激な変動を抑えることであり、ドル安・円高トレンドへの転換ではないため、相場が安定すれば効果ありと解釈できます。したがって、介入実施の判断基準は、為替レートの変動率(ボラティリティ)が重要であり、必ずしも特定の為替レート水準ではないと考えます。ドル高・円安の基調が明確に反転するには、為替介入ではなく、まずは米国のインフレ沈静化と、それに伴う利下げ期待の回復が必要と思われます。 ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『為替介入の目的は「ドル安・円高トレンドへの転換」ではない ~為替介入の仕組みと効果について【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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