大谷翔平2戦連発17号 駆け引き見え隠れ…変化球多いグレイのスライダーを崩されず完璧に捉えた
<ドジャース2-3レンジャーズ>◇12日(日本時間13日)◇ドジャースタジアム 【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)12日(日本時間13日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(29)が、2戦連発となる17号ソロを放った。レンジャーズ戦に「2番DH」で出場し、第1打席で先制ソロをマーク。対戦データの多いグレイの配球傾向を踏まえれば、確率の高い本塁打だった。チームは先発ビューラーが5回7安打3失点で4敗目。大谷が先制本塁打を打てば今季は4戦全勝だったが、不敗記録が途切れ、逆転負けを喫した。 【動画】ひと振りで決めた!大谷翔平、2戦連発17号先制弾! ◇ ◇ ◇ 駆け引きが見え隠れした大谷の1発だった。1回1死、フルカウントから右腕グレイのスライダーに崩されることなくタイミングを合わせた。飛距離424フィート(約129メートル)。夕日が差し込むドジャースタジアムの右中間スタンドへ、完璧なアーチを描いた。2戦連発の17号先制ソロ。ロバーツ監督は試合後、「ストライクゾーンをよく見極められている。それが出来れば、彼はこの世界で最高の打者。非常にいいスイングをした」と評価した。 大谷とグレイは通算11打席目の対戦。年々、変化球攻めが多い傾向に変わっていた。メジャー1年目の初対戦では力試しか、直球勝負がほとんどだった。だが、一昨年から変化球が増え、昨年はスライダーとチェンジアップの割合が配球の75%。レ軍の捕手ハイムは「バランスを崩して、打ち取ろうと思っていた」と話したが、大谷は待っていたかのように両手のフォロースルーで完璧に捉えた。 第2打席も全く崩されなかった。捉えたのはチェンジアップ。打球速度112・5マイル(約181キロ)の強烈なライナーを右翼へ飛ばし、ロバーツ監督は「もう1つ、113マイルくらいの打球は好捕されたが、ここ3、4試合の彼は非常にいい感じだ」と語った。事前のデータや配球傾向は当然、大谷の頭にもあったはず。イメージと結果が合致し、第1打席の本塁打後には、三塁ベースを回りながら両手を左右に振るパフォーマンスで表情を緩めた。 チームは先発右腕ビューラーが5回に痛恨の3ランを浴び、逆転負け。9回に1点差まで詰め寄りながらも惜敗した。試合前の時点では、先制すれば32勝3敗で勝率9割1分4厘の驚異的な強さで、さらに大谷が先制弾を放てば、4戦全勝だった。不敗記録も途切れたが、17号でリーグトップのブレーブス・オズナとは1本差。例年、絶頂期を迎える月間で、6月男が徐々に本領を発揮し始めた。