江戸時代の町屋・街路跡「兵庫津遺跡」で広範囲に見つかる/兵庫
江戸時代の町屋・街路跡、「兵庫津遺跡」で広範囲に見つかる/兵庫
神戸市兵庫区の旧中央卸売市場本場跡地で、このほど江戸初期から幕末にかけての町屋群や街路跡などが広範囲で見つかった。28日には、説明会の形で現地の一般公開も行われ、江戸時代に栄えた街の古(いにしえ)の姿が、見る者の心にロマンをかき立てた。 今回、見つかった場所は、JR兵庫駅南東に広がる「兵庫津遺跡」の一部で、今年2月から約1万6千平方メートルで発掘調査。同跡地は、2012年に同地で発掘された戦国時代末期の「兵庫城」のそばで、江戸時代、港町や西国街道の宿場町として発展し人口約2万人の街となったとされるところ。「丁寧に、壊すことのないように掘り出している」と、説明会を開催した神戸市教育委員会。町屋の中には、物づくりを生業としていた跡も見つかっている。
確認された主要な街路などは江戸中期の「摂州八部郡福原兵庫津絵図」に描かれた建築模様にほとんど一致。街路と町屋の関係が具体的に広い範囲で調査によって確認されるのは珍しいことで、今回の発掘が、近世の町屋構造を示す貴重な遺構となるのは間違いなさそうだ。 (谷川しゅんき/関西ライター名鑑)