トコジラミ問題、旅先でどう防衛する?
旅人の悩みのタネともなっているトピックが「トコジラミ」です。日本では「南京虫」とも呼ばれ、吸血性の昆虫で、刺されると痒みを伴う症状がでる厄介もの。自宅に持ち込んで繁殖してしまうと根絶が大変。被害に遭わないように旅人が宿泊先のホテルで必ずチェックしている対策ポイントとは? 【もっと写真を見る】
2023年末あたりからテレビやネットのニュースなどにも取り上げられており、旅人の悩みのタネともなっているトピックが「トコジラミ」です。日本では「南京虫」とも呼ばれ、吸血性の昆虫で、刺されると痒みを伴う症状が出る厄介もの。しかも最近は、これまでの殺虫剤が効きにくい「スーパートコジラミ」も出現しており、もし自宅に持ち込んで繁殖してしまうと根絶が大変です。 筆者はこれまでの国内外の宿泊で、蚊やダニで痒くなったことはありますが、トコジラミの被害はあったことはありません。とはいえ、ここまで話題になっていることもあり、一応被害に遭わないように注意はしています。 トコジラミ対策 その1 ベッドマットを重点的にチェックする 例えば、トコジラミは明るいところが苦手なので、宿にチェックインした際は、すぐに枕やシーツ、ベッドマットをめくって、トコジラミがいないかどうか確認しています。トコジラミはカメムシの仲間で、成虫は体長5mm~8mmほどあるので、小さいですが目視できるサイズです。また、トコジラミが生息している場合は、吸血した血が糞になって出た血糞による茶色や黒いシミがシーツや枕カバーについているケースもあります。 トコジラミ対策 その2 荷物は一時、バスルームに避難 ベッドのほかは、ソファーや本棚の本の間、木製家具との間などに日中は好んで生息していますので、そのあたりがチェックポイントとなります。ちなみに、動きは速いですがハネは退化しているため飛べず、つるつるしたところを動くのも苦手なので、隠れ家の少ないバスルームなどにはあまり生息していません。 そのため部屋をチェックする際に、荷物はまずバスルームへ置いておくと、荷物にトコジラミがついてしまうのを防げます。また大きめのビニール袋を持っていって、カバンにかぶせて密閉したり、ぶら下げて管理するのも効果的。うっかりカバンに成虫や卵をつけたまま帰ってしまうと、自宅で繁殖なんてことにもなりかねません。 トコジラミ対策 その3 部屋の電気をつけて眠る もしトコジラミを見つけたり、生息している可能性がある場合は、部屋を変えてもらいましょう(ちなみに英語では「ベッドバグ」と言います)。できれば同じフロアではなく、別の階がベストです。ただし宿の混雑状況によっては満室で部屋が変えられないことも。 その場合は宿を変えるしかありませんが、深夜到着などどうしてもその部屋で寝るしかないというケースもありますよね。最悪トコジラミと相部屋になってしまったら、まず彼らは明るいところが苦手なので、部屋の電気を消さずに寝ます。 さらに彼らは肌が露出しているところを狙ってくるので、長袖・長ズボン、そして靴下を履いたり、首にストールを巻いたりと、極力露出を抑えて寝るようにしますとここまで対策を書いてきましたが、あれこれ着て寝ると寝苦しいですよね。 (次ページ:トコジラミ対策 身体に近づけないために) トコジラミ対策 その4 格安の蚊帳を活用する そんなときにSNSの投稿で発見したトコジラミ対策のアイテムが「蚊帳付きハンモック」(実売価格777円)です。 《南京虫の防ぎ方》「蚊帳付きハンモック」 旅人の難敵と言っても過言ではない南京虫 ハンモックと言っても浮かせて使用するのではなく、ベッドの上に軽く乗せる感じで使用することで紐を繋いだ箇所の負担を限りなくゼロにできる 南京虫以外の害虫も防げる 写真はマダガスカルの地獄宿 pic.twitter.com/YoYJCZUhw1 ― ドタバタ旅行記 (@DotabataJ99686) November 22, 2023 本来はハンモックスタンドなどにセットして使うものですが、宿のベッドにセットして、蚊帳として利用します。ちなみにハンモックのように全体重を乗せるのではなく、あくまで体重を支えるのはベッド。蚊帳の部分を吊して持ち上げてセットする感じです。 ベッドへのセットが完了したら、自分のカラダにトコジラミがついていないのを確認し、本体のファスナーを開けて中に潜り込み、中からしっかりとファスナーを閉めます。これでトコジラミも入り込めず、安心して睡眠できるわけです。 実際に使ってみましたが、色々着込んで寝るよりは断然快適です。というかトコジラミだけでなく、蚊などほかの害虫への対策にもなるのがいいですね。東南アジアの安宿でエアコンがなく、窓を開けると蚊が入ってくるかもと心配するようなケースでも、これなら安眠できそう。現状ではトコジラミは伝染病の媒介はしないと言われていますが、蚊はデング熱などの伝染病を媒介するので厄介ですからね。 (次ページ:帰宅後、すぐにやっておきたいこと) トコジラミ対策 その5 帰宅後、旅の荷物はすぐに洗濯+天日干し ちなみに「蚊帳付きハンモック」を使い終わった際には、しっかりとはたいたりしながら、トコジラミの成虫や卵が付着していない状態にしてから畳んで移動しましょう。そのまま、ほかの宿や自宅にトコジラミを持ち帰ってしまうと大変です。自宅に帰ってからも、そのまま部屋には持ち込まず、すぐに洗濯機で洗ったり天日干しをするのがオススメ。これは蚊帳付きハンモックに限らず、服や旅先から帰ってすぐのカバン/スーツケースなども同じです。50℃の温度で30分、80℃で5分、100℃で数秒で死滅するため、スーツケースは、黒いビニール袋に入れて天日に干すと良いでしょう。服などは、ドラム式洗濯乾燥機の温水モードで洗ったり、高温になるコインランドリーの乾燥機を利用するのもオススメです。 今回購入した蚊帳付きハンモックはAmazon価格で777円と、旅行先の最終日にそのまま処分してしてもいいかもと思えるくらいの低価格でしたので、旅行のたびに新調するのもありかも。 というわけで旅先で宿へチェックインした際には、トコジラミチェックをルーチンとして組み込みつつ、蚊帳付きハンモックで安眠を目指したいと思います! この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama) 世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。 「旅人ITライターさとる」(IT系メイン) 「さとる・たべる・あそぶ」(旅行・エンタメ系メイン) 文● 中山智 編集●こーのス