阪神・門別啓人、3回0封 球児新監督から初〝指導〟
（みやざきフェニックス・リーグ、楽天ー阪神、三回裏終了降雨ノーゲーム、17日、サンマリン）阪神・門別啓人投手（20）が楽天戦に先発。三回終了後に降雨ノーゲームとなったが、視察に訪れた藤川球児新監督（44）の前で、3回1安打無失点と好投した。投手出身の指揮官からアドバイスをもらった左腕が、高卒3年目となる来季の飛躍を目指す。 雨の中のマウンドで、飛躍につながるヒントをつかんだ。先発した門別は、今リーグでこだわり続ける直球に手応えを感じ取った。 「ファウルも取れたし空振りも取れたので、ああいう真っすぐを増やしていきたい。雨が降ってちょっと投げられなかったんですけど、最初の感じで次も投げていけたら」 二回までパーフェクト投球。雨が強くなった三回は1安打3四死球と制球を乱して2死満塁とピンチを迎えたが、最後は山崎を右飛に仕留め、3回1安打無失点と好投した。 この日は藤川新監督が初めて視察。若い力を求めて宮崎に足を運んだ将は、同じ高卒投手として、自身の経験を重ねながら、独特な言い回しで左腕に助言を送った。 「1軍でプレーをしていたので、少し抑えたいという気持ちが強くなってくる。でも抑えることを中心にすると、近道なようで遠回りになる。もっと大きなところをしっかりやっていった方が遠回りなようで近い」 門別は2年目の今季、1軍では2度先発しながらいずれも黒星。結果を求めるあまり、こぢんまりとした投球スタイルになっていることを藤川新監督は感じ取った。その場しのぎでなく、未来の虎を背負うスケールの大きな投手になってほしいというメッセージが込められていた。 その言葉は門別にも強く響いた。鮮烈なデビューを果たした昨季や今季の春先のような投球ができなくなっている自覚もあった。「今まではある意味、何も考えず思いっきりいけていたので、そこが自分の強みでもあった。もっとそういうことを思い出して、ピッチングしていけたら」。課題は明確になった。初心に帰って自分の良さを見つけ出し、来季は先発争いに食い込んでみせる。 「（藤川新監督から）年齢関係なくアピールする場面はあると言われた。自分も最初からそのつもりでいる。来年こそ1軍で、という気持ちでいるので、どんどんアピールして、一試合一試合気を抜くことなくやっていけたら」
新監督の現役時代の代名詞「火の玉ストレート」は、まさに理想の一球。新生タイガースの戦力、そして将来のエースとなるため、オフシーズンで力をつける。（中屋友那）
