空港周辺に箱わな設置 釧路市、クマ目撃多発受け
北海道の釧路空港に近い釧路市駒牧、鶴丘の両地区でのヒグマ目撃多発を受け、市は1日までに、同空港周辺に箱わなを1基設置した。設置は旧阿寒町、旧音別町地域を除く旧釧路市地域では今年初。人の気配に慣れた警戒心の低い個体が人里を徘(はい)徊(かい)していると推測され、偶発的な接触による被害が懸念されることから、猟友会、警察、振興局と協議の上駆除することを決めた。 両地区では6月7~11日の短期間に5件の目撃情報が釧路署に寄せられたほか、市環境保全課によると両地区とその周辺では5月15日、6月7、9、11、23、26、27日にも2頭が連れだって行動しているのが目撃されていた。 同課では目撃情報から、両地区に2頭で行動するペアが2組存在すると推測。地元住民やハンターには例年、冬眠明けに山から山へ移動する通過個体が目撃されているが、今年は両地区にとどまって人里を行き来しているとみられる。1日現在、家畜や農作物への被害報告はないものの、人との距離が非常に近く、車と衝突したり、人と遭遇して被害が発生するリスクが高いと判断した。 クマの通り道になっていると考えられる地点の周辺には民家などがあり、猟銃が使えないため、駆除は箱わなを使用する。市では看板を設置し注意を呼び掛けているほか、警察官やハンターもパトロールしている。同課ではクマによる被害防止のため「餌になるようなごみを屋外に放置せず、山林に1人で入らないなどの対策を取ってほしい」と呼び掛けるとともに、箱わな周辺は危険なため、見つけても近づかないよう求めている。
釧路新聞