虎党SNSで激怒。FA西の阪神決断“誤報問題”はどう影響するのか?
オリックスからFAを行使した西勇輝投手(28)が28日、オフィシャルブログ「西勇輝のニコニコ日記」を更新、「今朝の一部報道について僕から説明させていただきます。まず、現時点で決断していることは何一つありません」と自らの去就問題に触れ、まだ白紙の状態であることを明かした。 FA選手が交渉の途中経過の心境をブログで明らかにするのは異例だが、この日、一部スポーツ新聞が、「FA西、阪神入り決断!」と関西版の一面トップで報じたことを受けての緊急発表だった。 FA申請した西に対しては阪神、ソフトバンク、横浜DeNAが水面下で交渉。オリックスも残留要請を行っている。 それらを踏まえ、ブログでは「多くの球団から本当に熱意のあるオファーをしていただきました。そのどれもが、これまでの僕を評価してくださっているものばかりで、感謝の気持ちでいっぱいです。プロ入りから10年間、お世話になってきたオリックスへの愛着も、もちろんすごくあります。正直、ここまで悩むものと思ってなかったです。ファンのみなさんにご心配をおかけしているのも日々感じていますし、本当に自問自答しています。一度きりのプロ野球人生なので…。ここからまた家族やお世話になった方々と相談し、自分の進むべき道を決めていきます」と続けた。 そして「僕の中で答えを出し、決断することができれば、しっかりとした形で記事でもブログでも、ご報告させていただきたいと思います」と、憶測記事に関して釘をさした。 スポーツメディアは100パーセントの確証がない場合、必ず「決断へ」「決断か」というような微妙な言い回しの逃げを打っておく。だが、この日の報道は、「西投手が阪神入りを決断したことが27日、分かった」と断定していた。 これは、球団への連絡が行われ、発表秒読みの段階をつかんだ場合の手法。それほどの確証があったのかもしれないが、すぐさま当の本人が「決断はしていない」と否定したのだから誤報となる。いわゆる「フェイクニュース」だ。 細かい業界内の“エクスキューズ”の話になるが「決断へ」と書いていたのならば、現段階では「迷っていた」としても最終的に阪神入りを決断した場合には、この記事の効力は、着地地点まで生きて特ダネ扱いとなる。「最終的に阪神に行けば記事は間違っていない」とも主張できる。 だが、今回のケースは「決断した」と断定して、当の本人が「決断していない」と明かしている以上、「そうブログには書いているが、あのとき実は決断していた」というスポーツ紙的な“言い訳”は通用しない。 このスポーツ紙は、今オフ、矢野新監督の組閣についても投手コーチ候補として中日OBの今中慎二氏の名前をでかでかと書いていたが、これも“ない話”だった。 阪神ファンはSNSで過剰に反応した。 「これで阪神に入りにくくなった」 「この記事が、西の進路に影響を与える可能性はある」 「たとえ阪神に決まっていたとしても、この誤報によって話がなくなる。こういう繊細な交渉事に対して、マスコミが足を引っ張る。こういう愚行を許していたら、阪神はずっと強くはならないだろう」 「なぜ西投手に関する誤報が出たかは分からないが、これで西が動揺して阪神に来なかったら阪神は、このスポーツ紙を訴えていい」 多くの声が西のFA移籍の決断に大きな影響を与えるのではないか、と心配するものと、誤報に対する激怒だった。