日経平均は3月につけた「4万1000円」がどうやら今年の高値となりそうだ
4月の雇用統計(5月3日発表)では雇用者数や賃金の伸びが市場予想を下回ったことで、一時は過熱感まで指摘された労働市場への警戒感は薄れ、FRBの利下げ開始が一段と先送りになるとの観測は後退している。「FRBは遅かれ早かれ利下げに踏み切る」とみる投資家は再び増えており、やはり日米金利差が縮小するタイミングが近づいているようにも見える。 こうしたことから、年後半は、日経平均はどちらかというと上昇よりも下落リスクが高まる。下落した際の下限レンジは3万6500円~3万5500円をメインシナリオとして想定している。
■6月末までには再度4万円~4万1000円へ上昇も? ただ、短期的(6月末まで)には日経平均は再度、想定上限レンジの上限である4万円~4万1000円まで上昇する可能性が高いと予想している。その主な理由は、米国株が足元の決算発表の中身(業績予想や株主還元など)を確認しながら、ジワジワと反転上昇を続けていることだ。 アメリカのナスダック総合指数は日経平均と連動性が高いことで知られるが、そのナスダックで構成比率が高い「マグニフィセントセブン」と呼ばれる米大手テクノロジー企業7社の決算は、すでにエヌビディア(5月22日発表予定)を除いて6社が終了している。
EV(電気自動車)大手テスラの決算が約4年ぶりに減収減益となるなど、すべてが市場の高い期待通りではなかった。だが、結局は6銘柄に対する今後の業績拡大期待や株主還元(自己株買いや増配など)は根強く、足元では反転上昇、ナスダックもテスラの決算前の4月19日から反転上昇基調だ。 もちろん、今後の当面のヤマ場は、前出のエヌビディアの動向だ。発表当日前後までは、AI・半導体関連相場の期待の星である同社株が牽引する形で、堅調な値動きが続く可能性が高そうだ。
もし、同社決算や今後の見通しが市場参加者の高い期待を超えることができれば、同社株やナスダック総合指数は6月末にかけてさらに上昇、史上最高値(それぞれ3月8日の974ドル、4月11日の1万6442ポイント)を更新する可能性もあるとみている。 なお、日本企業の半導体などハイテク企業の決算発表も大半が終了。あとは14日のアルバックや、大御所のソニーグループなどを残すのみだ。22日のエヌビディア決算発表まで「株価上昇のバトン」をつなぐことができるかが、注目される。