日経平均は3月につけた「4万1000円」がどうやら今年の高値となりそうだ
直近では、株価下落で期待値が下がるなかで、日米のAI・半導体関連銘柄の今後の業績予想については、まだら模様ながらも好感する形で、一部ハイテクの株価は反発している。だが、今後は3月の高値近辺で購入、含み損失を抱えた投資家の「やれやれ売り」が控えており、上値は重いはずだ。 また、株価上昇には予想PERの上昇が必須だ。だが米国株や日経平均の予想EPSは伸び悩んでいる。しかも年後半にかけて、日本は追加利上げ観測、アメリカでは市場が期待していた年2~3回の利下げ機運が低下しており、予想PERの上昇は厳しい環境にある。
■為替も円高方向へ、円安による上方修正期待剥落の懸念 2つ目の理由は、為替のドル高円安がさすがに止まったとみていることだ。ドル円相場は円買い介入があったとされる1ドル=160円が高値となったもようだ。今後、年後半にかけては日米の金融政策の方向性などから日米金利差縮小が緩やかに進み、ドル高円安が修正されるとみる。これによって、当面は円安恩恵企業の決算に対するさらなる上方修正期待が剥落するとみている。
まず、日銀は年後半のどこかで利上げするとみている。利上げの可能性は7月から9月が高いのではないか。 なぜなら①賃上げ効果が発現、実質賃金のプラスが明確となる(3月までは24カ月連続でマイナス)、 ②現在マイナスの需給ギャップがプラスに転じる、 ③上記の①と②によってデフレ脱却宣言が7月から9月の間に行われる、 ④インフレ率は2%前後で推移する、 ⑤サービス価格は現在の前年比+2.2%程度で推移する、など、日銀が利上げの前提条件としているいくつかが満たされる可能性があるからだ。
一方、アメリカではFRB(連邦準備制度理事会)は4月30日~5月1日開催のFOMC(連邦公開市場委員会)で政策金利の据え置きを決めた。声明文で利下げ開始の後ずれを示唆した一方で、ジェローム・パウエルFRB議長は追加利上げについては「可能性は低い」と発言したように、同国の金利は上限に近いと思われる。 今後の焦点は次回FOMC(6月11~12日)で示される経済見通しだ。これはFOMC参加者が政策金利などの見通しを3カ月に1回明らかにするものだが、年内の利下げ回数が3月時点での年3回(中央値)からどれだけ減るかに注目だ。