小池氏は里山、蓮舫氏は都心へ…不穏な選挙妨害も 石丸氏は1日10回、教育説く田母神氏
23日午後、奥多摩町にあるJR青梅線の終着駅、奥多摩駅前。小池氏は地元の首長と選挙カー上で並び、こう訴えた。
駅の標高は343メートルと都内のJR駅で最も高い。駅舎の上空は霧がかっていた。
小池氏は町について「都で2番目に高齢化が進んでいる。でも、長寿社会だ。緑、空気を楽しみながら、自分磨きをしながら、暮らせるモデルを一緒に進めたい。消滅可能性のある町ではなく、元気な町として日本中に知らしめていきたい」と強調し、「奥多摩わさび」など特産品を活用した振興策に理解を示した。
小池氏が22日、選挙戦で初めての街頭演説の舞台に選んだのは羽田空港から290キロ離れた八丈島だった。
過疎地域から始め、次第に大票田の地域に移って、最終的に繁華街でマイクを置く選挙戦を「川上戦術」という。小池氏は田中角栄元首相が提唱したとされ、小沢一郎衆院議員が得意としたこの戦術を実践する考えとみられる。
一方、23日の街頭演説では、里山の穏やかな景色に似つかわしくない大声も飛んだ。
「学歴詐称の件を説明してください」。甲高い声でヤジを繰り返す人も現れ、小池氏陣営のスタッフが対応に当たった。
4月の衆院東京15区補欠選挙では、政治団体「つばさの党」による選挙妨害事件が起きたばかりだ。選挙妨害とみられる行為は22日に蓮舫氏が渋谷駅前で街頭演説した際も起きた。
蓮舫氏の演説中に「アイデンティティーはどこの国か」などとヤジを飛ばす一団が現れ、演説後に蓮舫氏の支援者らが中指を立てながら「帰れ」コールを繰り返し、もみあう場面があった。(奥原慎平)