「興味がない」ことがヒントになる？

ビジネスパーソンが限られた時間で効率の良い情報収集をするための、おすすめの方法も聞いてみた。 ①Googleアラートの設定 Googleアラートは、特定のキーワードを登録しておくと、キーワードに関連するweb上の情報が決まった時間にメールで送信されるサービス。登録しておくと定期的な情報収集に便利だ。 ②興味のある情報発信をしている人をSNSでフォロー ある特定の分野の情報に興味があり、すでに基礎的な知識をもっている場合は、そのジャンルの情報を定期的に発信している人をSNSやニュースサイトでフォローするのもおすすめ。 特に、AIなど技術の発展が著しい分野の情報に関しては、秒進分歩で進化するため、出版までにタイムラグのある本で最新情報を追うよりも、webでチェックするほうが情報の鮮度が高い。 自分の興味のあるジャンルはどんな方法で情報収集するのが最適か、考えてみるとよいだろう。 ③「興味範囲外」の情報収集 一見、効率的な情報収集とはほど遠く思える、興味範囲ではないことの情報収集。 しかし、中崎氏曰く「自分の興味の範囲外でも、世の中で何が起きているか、どんなことが話題になっているか」をニュースなどで知っておくとよいという。 「イノベーションを起こすためのアイデアは、自分の領域外から生まれることもあります。 例えばベルトコンベアを使って大量生産したことで価格が下がり、人気を博したT型フォードという車は、食肉工場で流れ作業の中で加工される肉を見て、製造方法のヒントを得たと言われています。 情報を深く調べる視点とともに、広くみる視点を持って世の中の動きをウォッチすると、思わぬヒントが得られることもあります」 ちなみに、目的を定めない情報収集の一つに読書があるが、必ずしもしっかりと本を読み通さなくてはならないと気負う必要はないとのこと。ざっとななめ読みして興味が湧いたら、中身を掘り下げていく方法でも良いそうだ。 中崎倫子（なかさき・ともこ） 昭和女子大学 図書館司書、現代ビジネス研究所研究員。筑波大学 第二学群日本語・日本文化学類卒、大阪大学大学院 言語文化研究科 博士前期課程修了（修士）。大学院生時代に培った学術系の情報収集の技術や統計学・データ分析の技術をもとに、レファレンス担当・ガイダンス担当として、利用者に図書館の利用法や資料収集の方法を教える。コロナ禍に、図書館が利用できない大学生のために「私家版 学術関係リンク集」をnoteで発信し話題を集めた。