軍拡から軍縮への契機に 被団協のノーベル平和賞 中満国連次長
国連の中満泉軍縮担当上級代表(事務次長)は1日、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)へのノーベル平和賞授与決定について「世界各国で進む軍拡から反転して、軍縮に軌道修正する大きな契機にならないといけない」と訴えた。 京都市の立命館大で講演した。 中満氏は講演で、日本被団協の活動を「過酷でつらい経験を世界に発信し、二度と同じ経験をする人がいないよう、復讐(ふくしゅう)より和解の姿勢を示した」と称賛。「核兵器が使用されるリスクと隣り合わせにある世界で、核兵器は使われてはならないというメッセージだけに終わってはいけない」とも述べ、平和賞授与を実際の核軍縮につなげる必要性を強調した。12月の授賞式には中満氏も出席するという。