八戸市民病院(青森県)が一時停電 休診や手術延期、終日影響
青森県八戸市の八戸市立市民病院で28日午前7時半ごろ、全館停電が発生した。同病院によると同9時50分ごろ電源が復旧、正午に電子カルテや放射線装置、検査などの医療機器が稼働を再開したが、外来診療は緊急性の高い服薬を除き終日休診。同日予定の手術16件は不測の事態を想定して延期し、救急患者受け入れを正午まで中止するなど、圏域住民の診療に大きな影響が出た。 同病院は自家発電装置4台のうち1台の不具合による可能性が高いと想定しているが、詳しい原因は調査中。29日は外来診療、手術、急患受け入れを通常通り行う予定。 同病院の電力は、自家発電装置と東北電力からの供給で賄っているが、どちらの系統も止まった。東北電力系統の供給は午前8時36分に復旧し、照明と暖房が利用可能に。自家発電装置は4台のうち2台が同8時54分ごろ、もう1台が同9時50分ごろに稼働、医療機器への通電を再開した。全館停電中、確実に稼働が必要な機器の電源は予備バッテリーでしのいだ。 八戸消防本部は同日昼まで急患の同病院への搬送を中止し、同市の八戸赤十字病院や青森労災病院などに搬送。消防本部によると、市民病院の停電に伴い搬送が遅れた事案はなかったという。 市民病院の水野豊院長は「患者につらい思いをさせてしまい申し訳ない。29日は通常診療を行うので安心して受診してほしい。二度と起きないよう職員と協力して善後策を考えたい」と語った。 車で40分ほどかけて月1回通院している階上町の女性(90)は「今日は何もしてもらえず帰る。困るが病院も大変」、3カ月に1度の診察で訪れたおいらせ町の60代女性は「びっくりした。家から夫の車で来たが、夫にまた来てもらい帰る」と話した。八戸市の女性(54)は「一時は建物全体がとても暗く、まるで避難所のようだった」と語った。 同病院は24時間体制で県南地域の急性期医療を支える中核病院。2023年度の1日平均患者数は入院517人、外来が1093人。