脱マンネリ、おでんの具 読者の推しは? 記者が作ってみると…「もう、わが家の新定番!」
寒い日に食べたくなる熱々おでん。でも、具材がマンネリ化しがち。そんなつぶやきを紙面に載せたら、読者の皆さんから「これ試して」と数々のアイデアが届きました。自宅で作ってみると…。これはもう、わが家の新定番です。 冷凍たこ焼きも相性抜群 思わず食べたくなるおでん 小学生2人を育てるパート堀田由佳さん(43)=広島市安佐北区=の一推しは 「冷凍たこ焼き」。きっかけは数年前、夫にタコを入れてほしいとリクエストされたものの、「家族全員分のタコなんて高くて買えない」と頭を抱えたこと。その際、常備していた冷凍たこ焼きを見て、「これもタコだ」とおでんに入れてみようと思ったそうです。 今年もやっぱり、タコは高い。総務省の統計で、タコの小売価格は100グラム534円(11月中旬、東京都区部)で、マグロの519円(同)を超えるなど、タコの高級化が話題になりました。確かにタコよりも冷凍たこ焼きは財布にありがたい。 記者も自宅で試してみました。電子レンジで軽く温めたたこ焼きをおでんだしに入れると、明石焼きのようで「これはあり!」と思わず声が漏れました。 東広島市の主婦池田惠子さん(70)は10年ほど前、近くの産直市で「おでんにもおすすめ」と紹介されていたのを見て購入した京芋がお気に入り。12月上旬に広島市内で探してみると「とれたて元気市広島店」(安佐南区)で買えました。5センチ幅に切って煮ると、食感はサトイモよりもほくほく。だしが染みて滋味でした。 東広島市の主婦小泉千春さん(57)は「ニンジン丸ごと1本」を入れるそう。お母さんの作るおでんの定番だとして「栄養があるし、オレンジ色が映える」とのことでした。鍋ぶたを開けると、1本丸ごとのインパクトは絶大。ニンジンが苦手な子どもも、がぶりといきたくなるかもしれません。 薬味のアレンジも届きました。広島市佐伯区のアルバイト女性(40)は、みじん切りの白ネギ、かつお節、しょうゆを混ぜたものを、具の上にちょっとのせていただくのが「祖母の代から伝わる定番」だそう。 刻み青ネギを入れたポン酢に、具をつけて食べると「さわやかな味わいになる」(西区の61歳パート男性)といった推し情報も頂きました。 せっかくなら、おいしいだしで味わいたい―。冬季限定「塩おでん」が人気の広島市安佐南区の飲食店「あさ菜ゆう菜」の店主中村誠さん(46)に作り方を教えてもらいました。 中村さんお勧めの基本材料は、水1・8リットル▽昆布45グラム▽干ししいたけ4、5個▽かつお節2つかみ▽さば節1つかみ▽塩小さじ大盛り2。 昆布と干ししいたけを12時間以上、水に浸し、沸騰させず弱火で20~30分温めます。火を消して、かつお節さば節を入れます。節が沈むまで待ち、ゆっくりこします。 味付けは塩のみ。中村さんは基本量の塩を入れ、下ゆでした具を加えた後に必要があれば足していきます。「塩のうまみもポイント」。中村さんは、原料が海水のみの天日塩を使っています。火加減も重要だそう。ぐつぐつ煮込まず、80~85度で保温してください。 ちなみに、中村さんの具材の推しはカキ。「だしにさっとくぐらせたカキにセリとユズをのせると最高」。餅巾着の餅の代わりにモッツァレラチーズを入れた「チーズ巾着」も意外なおいしさだそうです。 広島県民が鍋料理を食べる回数は全国1位。おでんの具材の多さも全国1位―。近年、こんな広島県民のおでん愛が垣間見える調査結果が出ています。 紀文食品(東京)が今年実施した「家庭の鍋料理調査」によると、広島県民が秋冬シーズンに鍋料理を食べる回数は1カ月平均8.98回。調査した7都道府県でトップでした。22年の47都道府県調査によると、おでんに入れる具の種類数は、広島が最多の9.34種でした。
中国新聞社