校則も授業も“生徒がつくる” 新しい学校づくりを試みる公立中学校を取材 その影響は?
■校則だけでなく授業も“生徒が主体”
生徒が主体となって進めるのは、校則づくりだけではありません。 生徒:生徒がこういうことをやりたいとか、面白そうとかっていうのを授業にしてやっていく。 自分たちが学びたいプロジェクトを立ち上げ、約1年かけて取り組むという授業を実施。今年度は、ヒップホップを広めるプロジェクトや、学校のゆるキャラをつくり、カプセルトイを製作するプロジェクト、社会にとっても価値のあることにつながる37のプロジェクトが立ち上がりました。 泉大津市に眠る文化財を公開するプロジェクトでは、生徒が地域のお寺などにかけあい、普段は公開されていない仏像などの文化財を公開。全国から集まった人に向けて、生徒自ら魅力を説明しました。 生徒:自分の知らないことを次々やっていくと将来の自信につながるし、自分が思いついたことを人に伝えるって力もつくと思う。 篠原さん:みんなでモノをつくっていると、いろんな意見があって食い違っちゃうこともあると思うんですが、どのように解消していますか? 生徒:自分の意見を伝えながらも相手の意見を取り入れることで、より考えを深めることで、新しいアイデアを浮かべてより先につなげることができるかなと思います。 生徒:私は1年生なので、3年生に意見を言ったときに(嫌なこと)言われないかなって結構不安だったんですけど、思い切ってこの方がいいんじゃないですか? って言ったら、3年生が「確かにそっちの方がいいかも!」ってうなずいて、私の意見もどんどん取り入れてくれて、その環境もあってどんどん新しいアイデアを出してつなげられたなと思います。 好きなことを学ぶだけでなく、学校外にも発信し、社会とも関わりを持つことで、生徒たちに自信が芽生えてきたといいます。
■卒業時に目指したい3つの指針
この学校の方針は“コンパス”と呼ばれ、全ての活動の軸となっています。「自芯をもつ(『踏み出す』をくりかえして身につけた自信と自分の芯)」、「認め合う(周りを見て考え、人のために行動できる)」、「『やわらかさ』で0から1を創る(遊びを学びに・学びを遊びに)」です。このコンパスを中心となってつくったのが、3年生の長嶺佳歩さん、北隅ひなたさん、森﨑香奈子さんです。 森﨑さん:(最初は)ルールを変えようっていう活動のみやっていたんですけど、その課程で先生や生徒が入れ替わっていくうちに、考え方がどんどん変わってしまって、そこで“学校のコンパス”っていうのを私らが中心となってつくりました。入ってきた当初はコンパスがなくて考え方にバラつきがあった。でも今は授業にしろクラブにしろ行事にしろ、コンパスに向かってみんな活動している。