釣り鐘や仏具 盗難相次ぐ 福島県内の寺院、金属製品狙いか
福島県の田村、三春、小野の田村地方3市町や二本松市などの複数の寺から真ちゅう製の釣り鐘や花入れなどが盗まれる被害が相次いでいる。県警は寺院などの仏具や金属製品を狙った窃盗の可能性があるとみて警戒を強めている。 このうち田村市船引町の寺では9月中旬、真ちゅう製の釣り鐘や花入れなどの仏具が軒並みなくなっていた。法事の準備で訪れた関係者が気付いたという。お盆にはあったのを確認している。 三春町では複数の寺が被害に遭っている。町教委が把握しているだけでも5件あり、仏像や仏具などが盗まれた。町は防災無線で防犯の徹底と不審者への注意を呼びかけている。 小野町の寺では11月4日、仏像や掛け軸、半鐘が盗まれていたのが分かった。近隣の寺で窃盗被害が相次いでいると聞き、檀家(だんか)で防犯センサーなどを購入しようと決めたばかりだった。 被害に遭った寺は住職不在の所が目立ち、催しの準備などで関係者が久しぶりに訪れた際に物がなくなっているのに気づく事例が多いという。法事などが行えず、緊急に総代会を開いて仏具を買いそろえることを決めた寺もあった。
物品が盗まれた小野町の寺の総代は「こんな罰当たりのことをするなんて…。新年を迎えられない」と憤っている。住職は「地域の心のよりどころとなっている寺を荒らすなんて許すことができない」と心を痛めている。