【東京23区ランキング】街の活気を可視化した「新陳代謝率」、23区で高いのは?不動産市況とも連動するそのデータ
■ 「新陳代謝」ランキング…3位豊島区、2位新宿区、1位は?
■ 下町の台東、墨田が高い理由は? まず都心部をみてみよう。都心3区(千代田、中央、港)は代謝率が高く、千代田は21.4%と人口の2割が入れ替わっていることがわかる。住宅地自体が少なく人口が少ないこともあるが、代謝が活発で地価も順調に上昇している。 中央、港の代謝率(17.5%程度)はほぼ一緒で、地価は住宅地としての評価が高い港区で上昇率が高い(6.8%)。人の出入りが多い都心部は代謝も活発で地価も上がるのはわかりやすいといえよう。 代謝率が高い区を追いかけてみよう。新宿(20.8%)、豊島(19.6%)、渋谷(18.1%)が高いのは新宿、池袋、渋谷などターミナル駅周辺に人が集まる傾向を表すものと言える。 台東や墨田は近年急速に伸びている外国人の受け入れが目立つ街だ。特に台東の外国人数は20年前で9882人。全人口16万6822人の5.9%だったが2024年10月現在で2万295人。全人口21万5956人のなんと9.4%を占めるようになっている。新陳代謝によって多くの外国人が住みついているさまが想像できる。 文京、目黒の両区はいずれも住宅地として評価の高い街が多く、人気があることから常に人が流出入(文京16.1%、目黒16.4%)し、地価が上昇傾向(文京7.7%、目黒7.4%)であることがわかる。
■ 古くからの住宅地は人の出入りが少ない 昔から住宅地として一定のポジションを持っていたエリアはどうだろうか。大田、板橋、杉並、江東の4区は、代謝率は高くない(大田12.7%、板橋13.4%、杉並14.1%、江東13.2%)。また地価上昇率も5.5%から5.8%と都心に比べて低位にある。 古くからの住宅街は人の転出が抑えられ、また江東をのぞいては住宅地として開発ができるエリアが限られていることで流入も多くないことが影響しているものと考えられる。 豊洲などに代表されるタワマン街がある江東も、東京メトロ東西線や都営地下鉄新宿線沿線は古い住宅地が多く、JRや私鉄沿線と異なり地下鉄の駅周辺では市街地再開発事業も行われにくいことから、代謝率が高まらないのだと考えられる。 下町エリアの3区(江戸川、葛飾、足立)になると代謝率は低く(10.5%から11.0%)、地価の上昇も5%を切るレベルにある。ただ今後は小岩、新小岩、平井駅前などJR総武線沿線駅前での市街地再開発事業が続々立ち上がってくる。代謝率が高まってくれば地価が上昇基調になる可能性はあるだろう。