岩政大樹氏は北海道コンサドーレ札幌でどんなサッカーを?「鹿島アントラーズで見えたものの延長線上にある」
川崎フロンターレで18年間プレーし、2020シーズン限りで現役を引退した中村憲剛氏の引退試合「明治安田 presents 中村憲剛 引退試合」が14日にUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行われた。1学年下で大学時代からの盟友でもある岩政大樹氏は、来季から指揮を執る北海道コンサドーレ札幌でのビジョンにも言及している。 岩政氏は東京学芸大学時代に関東1部リーグで、当時中央大学に在籍していた中村氏と対戦経験がある。岩政氏は1学年上の中村氏について「川崎フロンターレが常勝になっていく礎を作られた方ですし、大学のときからの付き合い。お互いに切磋琢磨しながら戦ってきた間柄です」と述べた。 【一覧】移籍情報2025 Jリーグ全60クラブ 新加入・昇格・退団・期限付き移籍・現役引退 その後、岩政氏は鹿島アントラーズで、中村氏は川崎で主力選手となった。両者が在籍していた時期は鹿島が3連覇するなど、成績的には軍配は鹿島に上がった。「優勝争いもしましたし、僕は勝たせてもらいましたけど、直接対決は勝てたことがあまりなかった記憶が強い。憲剛くんと対峙したときに、なかなか上回れなかった印象は残っています」と振り返った。 来季から岩政氏は札幌の指揮を執ることが決まっており、「青写真というか、絵がある」と話す。「結局、球際、走れ、戦え、負けるな、で終わるから絵が見えなくなる。それでは攻撃的にならないわけですよね。攻撃的というのは、常に選択肢が監督になければならない」とビジョンの一端に触れた。 鹿島ではコーチから昇格という形で1年半指揮を執った。「試合を観たほとんどの方は(鹿島時代と)全く違うことをやっているように見えると思いますが、自分の中では鹿島で見えたものの延長線上に今の絵がある」と言う。 今年1月からはハノイFC(ベトナム)を率いて、チームを躍進させた。ベトナム国内ではいくつかのオファーを受けた中で札幌を選んだという岩政氏は、「ハノイでは[4-3-3]も[3-4-3]もやりましたし、可変で守備の形もいくつかのシステムをやっています」とシステムについて言及する。 「ベトナム人相手にそれだけのシステムを作れたということは、システムで語ったのではなく、チームとしてやるべきことから語ったからシステムを変えてもできたと認識している。攻守に置いて相手がボールを持っているとき、自分たちがボールを持っているときに何をするのかということをまずは認知させて、そのうえでそれを利用するためのシステムがあるという順番で落とし込めば、3バックも4バックも関係なくなる。相手によってちょっとやりやすいシステムに変えるというだけになってきます」 同世代の多くがスパイクを脱いだが、その後のキャリアは様々だ。指導者としてのキャリアを積み上げる岩政氏は、「それぞれがそれぞれの形でサッカー界に恩返ししていく立場になってます。僕は僕で監督の仕事をやっていますので、そこでより日本のレベルが上がるように頑張りたい」と意気込んだ。 (取材・文:加藤健一)
フットボールチャンネル編集部