津波の脅威伝える旧防災対策庁舎と南三陸311メモリアル:さんさん商店街で海の恵みも実感
震災から13年、防災対策庁舎の保存が正式決定
南三陸町は2013年に一度、防災対策庁舎の解体を決めた。後世に津波の脅威を伝えるために保存を求める声がある一方で、「見るのがつらい」と解体を望む遺族が多く、維持管理費もかさむためだ。15年に県から提案されていた「震災20年後までの県有化」に同意し、震災復興祈念公園に組み込まれたが、その後も「保存か、解体か」の議論が続いてきた。そして24年3月1日、再び町で所有・管理し、震災遺構として残すことが正式に発表された。 津波の恐ろしさを目の当たりにしながらも、南三陸の人々は今後も海と共に生きていく。“海は多くの幸をもたらしてくれる”と感じさせてくれるのが、南三陸311メモリアルの南に隣接する商店街だ。平屋6棟に料理店や鮮魚店など計28店舗が並び、大型駐車場を併設する。ぜひ、南三陸産の新鮮な魚介を味わってもらいたい。 被災住民が複雑な感情を抱きながらも、「未来の命を守るために」と残した建物や証言、記録、写真――。一人でも多くの人が現地を訪れて、震災の脅威を知ることで防災意識を高め、南三陸の魅力も知ることが、犠牲者の弔いにもなるのだろう。 取材・文・撮影=ニッポンドットコム編集部 <南三陸311メモリアルの詳細・写真は、ページ下部の【関連記事】リンク参照>