【予報士解説】天気予報で「激しい雨」は外出しても平気?危険な雨の予報を判断するコツとは
下水の処理能力を超える!「非常に激しい雨」
1時間50mm以上80mm未満の雨は「非常に激しい雨」と表現されます。 正直なところ、一般的にはさきほどの「激しい雨」と区別がつきづらいですし、家事や育児をしながらニュースを聞いていたら聞き間違えそうだなと(気象予報士である)自分でも思います。 そもそも「非常に」がつかない単なる「激しい雨」であっても危険が伴うことは先述の通りなので、「激しい雨」と「非常に激しい雨」を聞き分けようとがんばるよりは、もうあまり気にせず「激しい」というワードに反応するようにして身を守るほうが現実的だと個人的には思っています。 ただその上で、もし区別する余裕がある場合は、「非常に激しい雨」と言われたら日本の大部分では「下水の処理能力を超える」と思ってください。 つまり、側溝から水があふれて浸水したり、マンホールから水が噴き出したりして、山やがけが近くにない家でも危険にさらされるおそれがあります。 ニュースや天気予報では「滝のような雨」と表現されることもあり、水しぶきで一面真っ白になって前が見えなくなることも…。 ちなみに「非常に激しい雨」の1つ上は最上級の「猛烈な雨」で、ここまで来ると息苦しくなるような圧迫感や恐怖を感じる雨になります。
じつは複雑…合計で何mm降ったら危険?
ここまで「1時間あたりの雨の降り方」を基準に、どんな雨が危険かを解説してきました。 一方でニュースでは「どこどこで総雨量が何mmに達しました」と、1日または2日くらいの間に降った全体の雨の量が報道されることもあります。 そんな時、いったい何mm以上なら災害の危険があるのか…という話は、じつはかなりフクザツ。というのも、「その場所で普段どのくらい雨が降っているか」によってかなり異なるからです。 たとえば普段から雨の少ない地域では1日あたり150mm降っただけでも大規模な災害になりますし、もともと雨が多い地域では1,000mm以上降っても被害が出ないことがあります。 地域の雨量は気象庁HPで誰でも見ることができますが、一般の人が調べるのは大変だと思いますので、自治体が出す避難情報に従って身を守りましょう。 また、気象庁が発表している「キキクル」を検索すると、自分が現在いる場所の危険度がすぐわかります。合計の雨量に関しては「何mm降ったか」ではなく「危険度がどのくらい高いか」で判断してください。