統一戦消滅、米国第2弾中止でバンタム転向の井上尚弥が年末に誓う集大成
さて、今回の対戦相手のボワイヨだが、フランスの国内王者で41勝(26KO)4敗1無効試合の戦績。身長170センチと長身で好戦的。リーチを生かした左のジャブから試合を組み立てるが、右がアッパー、フック、ボディストレートと多彩で、カウンターでアッパーをあわせてきたりもする。 現在、30連勝中で、直近の4月の試合は、右のボディストレートをきかせて2ラウンドでKO勝利している。ただ、この試合は相手のレベルがあまりに低くて参考にはならない。 井上は「過去一番身長の高い相手。そこから左右フックを振り回してくるので気をつけたい」と言うが、長身ゆえに手打ちになっていて26KOの数字ほどのパンチ力はない。真吾トレーナーも「独特のタイミングでくるので、そこだけは意識して集中させたい」と警戒しているが、スピードがなく大振りなので、ディフェンス力強化に取り組んでいる井上が被弾するシーンは想像しにくい。むしろ打ち終わりに左のガードが下がる癖があるので、そこに井上の右がカウンターになってヒットすれば一巻の終わりだろう。 胴長体型でクラウチングスタイルでもないので井上のボディも炸裂しそう。 「年末は例年いい試合が続いているので結果、KOで勝ちたい」 井上のKO勝利プランは、フランス人挑戦者の異色スタイルを何ラウンドで読みきるかの適応時間だけを試されるスーパーフライ級でのラストマッチになりそうである。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)