中谷潤人が“3人斬り”で強化合宿スタート 1対3の変則スパーで「様々なタイプに対応する」
プロボクシングWBC世界バンタム級(53・5キロ以下)王者・中谷潤人(M・T)が13日、次期世界戦に向けた強化合宿をスタートさせた。 当初はこの日から4日間、相模原市のゴルフ場で走り込みを中心とした体力アップを図る練習を予定していたが、あいにくの荒天で予定を変更。同市の所属ジムに場所を移し、トレーニングを行った。合宿には、村野健会長をはじめ、熊本道之コーチと斎藤哲平、野中太陽、中村翔氣の3選手が参加。中谷は初日から、同コーチが考案した、ユニークかつ激しい変則スパーリングにフル回転した。 30秒ごとに次々と入れ替わる3選手相手に実戦練習というもの。サウスポー、オーソドックス、サウスポーと階級も構えも違う選手を次々と相手にし、パートナーには1分の休憩が与えられる。1人相手に3分戦うスパーに比べ、常に相手は元気な状態だからたまらない。インターバルは40秒と休む時間はほとんどない。それを4ラウンド行った。「スタミナアップを図るとともに、色々なタイプに対応する能力を身につけるのが狙い。30秒間で、相手の動きを見極める瞬時の判断力が求められるから、これはキツイと思う」と熊本コーチ。中谷は「厳しい環境に対応できるようにするのが目的。1人が相手なら、3分間で相手の様子を見ながら休む時間だったりをコントロールできるけど、30秒ずつ、相手は全力で来るからしんどい。自分の反応速度も上げないといけないし、心拍数も上がっていた」と振り返ったが、「切り替えの時にテンポを上げたりとか、自分がこう動けるという感覚がつかめた。こういうスパーは初めて。3人斬り、でしたね」と気持ちよさそうに汗を拭った。 6日には村野会長、弟の龍人マネジャーとともに、東京ドーム興行を観戦。スーパーバンタム級の4団体統一世界王者・井上尚弥(大橋)がルイス・ネリ(メキシコ)に6回TKO勝ちするなど4大世界戦から大きな刺激を受けた。目の前でWBA世界バンタム級王者・井上拓真(大橋)が防衛を果たし、武居由樹(大橋)がWBO世界同級王者となった。4日には西田凌佑(六島)がIBF王者となるなど、バンタム級は4団体全てが日本人王者となった。 「日本のファンは盛り上がるし、中々ない状況で、何より選手にとっても刺激的なこと。僕自身は楽しんで、統一戦に向けてだったり、いいパフォーマンスをしていきたい。一番いい形は4つのベルトを取れたらということでしょうけど…。いい評価をもらえる試合ができれば」と中谷。井上拓が「この階級で一番は井上拓真というのを見せたい」などと話しているが、中谷も「ボクもそういう気持ちでぶつかり合っていけば面白くなる」と意地を見せた。 14日からは場所をゴルフ場に移して、早朝から徹底的に走り込む予定。「次戦に向けてスイッチを入れる。たくさん体を動かして、丁寧に体を作っていきたい」と中谷は気持ちを高めていた。
報知新聞社