「住んではいけない!」異常気象が当たり前になったとき日本の危険な場所とは【池上彰の未来予測】
遊水地を住宅地として開発してきた結果、大雨や洪水の被害が増大
水害が増えている今、住むと危険な場所のひとつが「元々、遊水地だった場所」だといいます。 「遊水地とは、洪水のときに川の水を一時的に溜めるのに利用される場所で、近年では通常時に公園などとしても活用されています。 川に大きく頑丈な堤防を造り洪水が一切起きないようにしようとすると、建設費用も増大してしまいますし、大雨が降ったときにどこかが決壊してしまえば甚大な被害が出るでしょう。 だからわざと堤防に切れ目を作っておいて、大雨が降るとそこから水を周辺にあふれさせ、人為的に洪水が起きるようにするのです。霞堤の周辺は遊水地として人が住まない農地にして人命や家屋を守るとともに、定期的な洪水によって、農地も肥沃になるメリットがあります」 遊水地があった場所=人為的に洪水が起きやすい場所なのです。だからこそ、本来そこは農地となっていて、家屋はありませんでした。 「昔の人の知恵で、日本全国にこうした遊水地がありました。しかしそうした生活の知恵が失われてしまい、もともと遊水地だった場所を『こんなに広い土地があるんだから』と住宅地として開発してきたのが、現代の日本社会です。 遊水地はいざというときに洪水で水があふれることが前提になっているため、土地の値段も安くなっています。その分、そこに家を建てると、水害で水に浸かってしまうリスクが高いのです」 土地の値段が安いからと選んだ場所が、水害リスクが高い場所だったというおそろしい事実も。では、そういう場所に住んでしまっていた場合、どう備えたらいいのでしょうか。
前編記事ではスーパー台風と水害リスクが高い場所について触れました。続く後編では、「スーパー台風の備えはどうすれば?」「猛暑で甲子園がなくなる?」ついてのお話を紹介します。