能登半島地震 帰省先での被災者の安否確認の難しさ
ジャーナリストの須田慎一郎が1月8日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。令和6年能登半島地震について解説した。
令和6年能登半島地震の発生から1週間が経過
1月1日に発生し、最大震度7を観測した令和6年能登半島地震。1月8日午後2時時点で、石川県内では168人の死亡が確認され、住民基本台帳をもとにした安否不明者は323人となっている。 飯田)元日から驚きましたね。 須田)もともと交通の便がよくなく、道路も十分に整備されていないところが心配されましたが、交通網が寸断されるなど、救助・救援に向かえない状況もあったようです。
特殊な地理のなか、限界ギリギリで対応している自衛隊
飯田)“ラーメンチャーハン”さんから、「熊本地震のときと比べて、自衛隊の投入数が極端に少ないという指摘を耳にしましたが、何かお感じになりますか?」とご意見をいただきました。確かに交通の部分があるので、闇雲に人を入れても、結局どこかで詰まってしまうということは痛感しましたね。 須田)誤解して欲しくないのですが、今回、自衛隊はスピーディーに対応しています。自衛隊に対して「対応が少なかったのではないか」という批判がありますが、地理的な特殊性を考えたら、目いっぱいやっているのではないかと思います。 飯田)必死に動いていると思います。いまは片側1車線の相互通行の道が1本しかないギリギリの状況で、ものを流している。しかも海路・空路も使って一生懸命やっています。 須田)時間的にも発災直後、すぐに対応を決めて派遣が行われました。 飯田)時系列で見ると、直後から自主派遣の形で行い、県からの要請も30分後には出ていて、もちろんそれも即座に受理しています。ただ、熊本のときと比べると、熊本には既に1万人規模の部隊がいました。今回はレーダー基地や分屯基地などしかないなか、拠点も少ない場所に何とか人を入れています。しかも、山間地で道が寸断されているので、非常に大変だと思います。
40億円の「プッシュ型災害支援」で終わるわけではない
飯田)プッシュ型支援も行われていますが、政権としても、地理的条件のなかで進めるのが難しいところもあるのでしょうか? 須田)予算についても「どのぐらいの金額が必要なのか」がわからないため、資金使途が明確ではない状況で計上しなくてはなりません。とりあえず、この40億円で状況が明らかになり、「どのぐらいの金額が必要なのか」が出てきた段階で、その都度、予算を計上していく。40億円だけで終わるわけではありません。野党はその辺りの予算の仕組みもわかっているはずなのに、なぜ批判するのだろうと思います。かつて民主党が政権与党だった時期もあるわけですから。 飯田)そうですよね。当時は東日本大震災があって、その対応も行っていたわけですから。