岡山県知事選の争点は? 人口減少、公共交通、防災対策…現職・新人2人の訴え【岡山】
岡山放送
任期満了に伴い、10月27日に投票が行われる岡山県知事選挙は現職と新人の一騎打ちとなります。今の地方を象徴する課題が大きな争点となっていて、地方の方向性を示す上でも重要な選挙と言えます。 岡山県知事選に立候補しているのは、届け出順に、現職で4選を目指す伊原木隆太さん(58)と新人で共産党岡山県委員会の常任委員、小坂昇さん(72)のいずれも無所属の2人です。 岡山県の人口は、2005年の約196万人をピークに減少。9月1日の推計では約183万人となり、2050年には約151万人になる見込みです。 民間組織「人口戦略会議」は、2020年から30年間で子供を産む女性の減少率が50%以上と推計した「消滅可能性自治体」を公表。該当するのは調査対象の40%を超える744の自治体、県内では10の市と町となりました。 そのうち笠岡市と高梁市は、2024年度、市長選が行われ、人口減少対策が大きな争点の一つに。新しい風が吹く結果につながりました知事選でも人口減少対策が最大の争点です。 (伊原木隆太候補<無・現>) 「少ない人数で、それぞれの分野・地域を回すかをこれまで以上に真剣に考えないといけない。結婚したい人、子供を産みたい人が産めるようにしていく。国に対して、どうやって東京一極集中をはじめとした構造的な問題を改善していくのか」 (小坂昇候補<無・新>) 「安心して子育てができる環境をつくることが大事。子供の医療費助成の問題も県が主導して全体を励まして引き上げていく。(学校を)卒業しても住み続けて、働き続けられる。奨学金返済を県が肩代わりすることを目玉の政策として出したい」 自然豊かな岡山から広島の山間部を走る列車、JR芸備線です。2024年3月、新見市の備中神代から備後庄原の約70キロの赤字区間の存廃を議論する再構築協議会が全国で初めて設置されました。赤字ローカル線の存廃議論は人口減少に伴う問題の一つで多くの地方から関心を寄せられています。 経営への負担などから議論を進めたいJR西日本に対して、住民の足を守る点から抵抗感を示す自治体。国が調整役を務めますが、議論の停滞が懸念されています。今回の知事選は公共交通の議論も大きな争点です。 (伊原木隆太候補<無・現>) 「具体的な(地域の)交通計画は市町村がつくる計画が意味のある計画だと強く思う。ただ県や圏域ごとに計画を立てている県もいくつもある。いろいろな人の話を聞いて考えてみたい」 (小坂昇候補<無・新>) 「関係自治体と協力、協議しながら国に対して公共交通を守るべきだと要求しないといけない。リニアをつくると言っているが、やめてもうかっているところの金をローカル線や国民の足を維持するために使うべき」 「晴れの国」と言われ災害が少ない県として知られる岡山。しかし2018年の西日本豪雨など激甚化する風水害は他人事ではありません。2024年8月には「南海トラフ地震臨時情報」が出されるなど、地震を含めた防災対策への関心がさらに高まっています。 (伊原木隆太候補<無・現>) 「自宅のハザードマップを確認したことがない人が一定数いる。非常に大きな問題。いかに活用してもらえるか働きかけるのは大事」 (小坂昇候補<無・新>) 「岡山でも長い間安心だと言われてきたが、やっぱりことが起こってから何かするのではなく、ことが起こる前に、防災という観点でいろいろ施策を考えていく」 10月17日、新見市の大学には県内で初めて移動式期日前投票所が設けられ、大学生が意中の候補に1票を投じました。 今、若者を中心に選挙への関心の低さが問題となっています。4年前、前回の県知事選の投票率は33.68%と過去最低でした。今回は、県政史上初めて、衆議院議員選挙とのダブル選挙。より争点が明確な衆院選によって投票率がどうなるか注目されています。 (伊原木隆太候補<無・現>) 「どういう審判を受けるにしても、高い投票率で得た結果の方が納得しやすい。歓迎」 (小坂昇候補<無・新>) 「国政も県政も同時に変えるチャンスを県民が持った。そのチャンスを生かしていくよう訴えていく」 主要な政党から推薦を受けオール岡山に近い態勢で選挙戦を進める現職。一方、共産党の推薦を受け党のカラーを出して戦いに挑む新人。岡山県知事選は10月27日に投票が行われ、即日開票されます。
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