「山口のヒロシマデー」遺族らが追悼 原爆死没者之碑前で式典【山口】
「山口のヒロシマデー」の6日、原爆死没者を追悼し平和を願う式典が山口市宮野江良1丁目の原爆死没者之碑前で行われた。開催は今年で50回目。被爆者や遺族ら約100人が献花して手を合わせ、核兵器廃絶を固く誓った。県原爆被爆者支援センターゆだ苑(八代拓理事長)主催。 1973年に江良の共同墓地に被爆兵士の遺体が埋められていることが分かり、同年9月6月に発掘作業を始めて13人以上を収骨した。同苑は、この日を山口のヒロシマデーとし、75年から式典を営んでいる。 開式に当たり、八代理事長(42)が「私たちにはすべての原爆被害者を決して忘れることなく、平和な未来を築く責任がある。過去の悲劇を忘れず、二度と繰り返さない誓いを新たにしたい」とあいさつした。 新たに14人を登載した原爆死没者名簿を、遺族の代表、藤谷かほりさん(80)=岩国市=が納骨堂に奉納し、献水した。八代理事長と県原爆被害者団体協議会の林美代子会長(83)が献花台に白いキクの花を手向けて、冥福を祈った。その後、参列者一人一人が献花した。 母の白木雪子さんを新たに名簿に加えた藤谷さんは「被爆した人は高齢化が進み、亡くなっている。戦争を知らない若い人にあの悲惨さを伝えていきたい」と話した。4歳の時に被爆した林会長は「当時のことを今でもよく覚えている。焼け落ちた町の中で、男女の区別がつかないくらいやけどを負った人々がいた。あの現実を見た人は日頃は胸に抑えていても、絶対に忘れることはない」と語った。 50回の節目に合わせて今年は県教育会館で平和祈念式典も行われた。