柳田は王氏の年間最多四球記録を超えるか?
ソフトバンクのトリプルスリー、柳田悠岐(27)が驚異的なペースで四球を選んでいる。開幕以来、14試合で21個。現在、14試合連続四球記録を更新中で、1986年にロッテ時代の落合博満が作ったパ・リーグの歴代2位記録に並び、ソフトバンクの会長である王貞治氏が、1970年に作った18試合連続四球の日本記録にも順調にいけば17日の楽天戦で並ぶことになる。今のペースを単純計算すれば、214四球に達することになる。この数字には現実味がないと言えど、王氏が1974年に樹立した158四球のシーズン最多記録を42年ぶりに更新する可能性が出てきた。 ソフトバンクに詳しい評論家の池田親興氏も、「シーズン最多四球の記録を更新する可能性はあると思う。いくつかの条件が揃ったときだろう。柳田が我慢できるか、他球団の今の柳田攻略が、今後どう変わるかによる。また、柳田の後ろを打つ打者の調子ともリンクすると思う。後ろが打てば、相手も柳田と勝負せざるを得ない状況になるからね。そうなれば、柳田の四球は多少減る。ただ柳田が四球の記録を作れば優勝できるのか?となると、それはイコールではないと思う。実際、柳田はストライクを投げてもらえずに調子を落とした」という見立てをしている。 池田氏も、四球記録の可能性には言及するが、それがいいことなのか悪いことなのかの議論はある。 柳田は12日の西武戦では、9試合ぶりとなる2号ソロを放つなど、上昇気配を見せているが、打率は、まだ.239。開幕以来、四球攻めで調子を落とした。 元千葉ロッテの里崎智也氏も四球増の理由を分析した上で記録の矛盾点を突く 「今のところ、柳田の四球数が増えている理由は、2つあります。1、2番の出塁率が低く、3番の柳田と勝負しなくてもいいこと。また4番の内川が一発を狙わずにヒットでつなぐことを意識しているため、たとえ柳田を歩かしても大量失点となりません。また柳田が走っていないことも理由のひとつでしょう。バッテリーの感覚からすれば、走られるとツーベースと一緒ですし、警戒に神経を使うので、四球で出したくないという気持ちが強くなります。1、2番の出塁率が高まり、柳田が去年のように盗塁数を増やせば、四球が減りますね。 つまり、打線が機能するようになってくれば、勝負せざるをえない状況となり柳田の四球は減ることになりますね。それでも、記録更新の可能性は残るかもしれませんが、問題は、柳田本人が本音でどう思っているか?ですよ。僕なら、四球が増えれば出率がアップして給料アップの要因になるので万々歳ですが、きっと彼の本音は“四球より打ちたい”ではないでしょうか」