イチローがレジェンドにかけた1本の電話
奇しくも3000本を決めた三塁打は、日米通算で116本目となり、あの世界の盗塁王、福本豊さんの記録を抜くことになったが、その福本さんも「ふくらはぎを痛めたことが引退に引き金になった」と言っていた。 また40歳を超えてプレーした落合博満がふくらはぎを痛めたときに、福本さんは、落合の引退を予言していた。まして、スピードがメジャーで金字塔を打ち立てたメジャーリーガー、イチローから欠かせないピースであるなら、そこに異常が発生することは、現役続行の命取りになるのかもしれない。 山本昌氏は、「イチローのもうひとつの凄さは故障欠場や離脱のないことだが、彼だって怪我をしている。表に出さないだけ。人に言えず、その治療やコンディション調整を苦労しながらしている。そういう作業を一切、表に出さずにやっているのが、イチローの凄さだ」と、知られざるイチローの苦闘の姿を明らかにした。 もしかすれば日本人として最初で最後になるかもしれない3000安打の偉業を達成したイチローならば、50歳現役の夢も、次なる目標だと口にした4000本という絶望的な数字も、あと8年もあれば、やってしまうのかもしれない。イチローの3000本はゴールではなく、この先に始まる新たな可能性のスタートなのだ。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信)