【共同通信杯】前走GⅠワンツーの一騎打ち エコロヴァルツが距離延長、切れ味勝負で逆転
前走の敗因:朝日杯FSのエコロヴァルツ
エコロヴァルツの前走は朝日杯FSで、結果は2着。このレースはスタートこそ五分に出たが、何度か前をカットされ、その中でも3コーナー入り口でミルテンベルクにがっつり進路をカットされたのが痛かった。その影響で3コーナー通過は15番手、4コーナーでは最後方にいた。直線で大外から一気に追い込むがジャンタルマンタルと0.1秒差の2着までだった。 ジャンタルマンタルは川田将雅騎手が完璧な競馬をしていただけに、ロスはエコロヴァルツの方が大きい。上がり3Fは1位で34.1秒。2位の馬が34.6秒だから一頭だけ脚色が全く違った。もう少しスムーズな競馬なら1着もあっただろう。
血統解説:エコロヴァルツ、ジャンタルマンタル
・エコロヴァルツ 日本での牝祖は祖母クリアーパス。競走馬としての実績はないがその母Masakeがハリウッドオークス(GⅠ・ダート9F)3着の実績馬。エコロヴァルツの従兄弟にはキーンランドCやオーシャンS勝ちのヴェントヴォーチェがいるというファミリーだ。元々米国で繋がってきた牝系で、クリアーパスの父も米血のA.P. Indy。そのためアメリカ的スピードは優れているのだが、父を引き出しやすいようで様々なタイプの産駒が出ている。 本馬の母プティプランセスはA.P. Indyの持続性能が高い脚にキングカメハメハのパワーが備わって芝中距離で3勝。本馬は父がブラックタイドで、さらに末脚の鋭さに磨きがかかった。長躯短背のすらっとした馬体からもマイラーではなく中距離馬。距離延長ならジャンタルマンタルを逆転できるはず。 ・ジャンタルマンタル 母インディアマントゥアナが米国産馬なので日本での牝祖は母。同馬は現役時にレッドカーペットH(GⅢ・芝11F)を勝利している実績馬だ。完成度が高い馬体をしていて朝日杯FSなら間違いなくエコロヴァルツよりこちらを取りたくなる。 ただジャンタルマンタルの父Palace Maliceは日本の長距離路線で活躍するアイアンバローズやジャスティンパレスの半兄。こちらも血統の構成は朝日杯FSというより1800、2000mあたりがベストだろう。決して距離延長がマイナスになるわけではない。ただ、切れ味というよりは、完成度や操縦性の高さで勝負するタイプだけに、東京コースならエコロヴァルツに軍配が上がると見る。