【日本株週間展望】上昇、米CPIで利下げ見極め-好決算銘柄に買い
(ブルームバーグ): 5月第3週(13 -17日)の日本株は上昇する見通し。米国の物価指標が市場の予想通りインフレ圧力の緩和を示せば、利下げ期待が広がり投資家のリスク選好姿勢が強まりそうだ。3月下旬以降の調整からの戻りを試す中で、好決算を発表した銘柄を中心に買われる展開が予想される。
5月第2週の東証株価指数(TOPIX)は週間でほぼ横ばいだった。主要企業の決算発表が本格化し、今期の営業減益予想を示したトヨタ自動車が売られるなど業績による銘柄選別の動きが顕著になった。景気減速の兆しを手がかりに年内の米利下げ観測が広がったことは日本株を下支えした。
米国では14日に4月の生産者物価指数(PPI)、15日に4月の消費者物価指数(CPI)が発表される。CPIは変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が前月比0.3%上昇と、3月から伸び鈍化が見込まれている。3月は市場予想を上回り、利下げが後ずれするとの見方が日本株の逆風になっただけに、4月の結果が注目される。
国内では引き続き決算が評価される銘柄が物色されそうだ。13日にソフトバンクグループ、14日にソニーグループや楽天グループ、15日には三菱UFJフィナンシャル・グループなど三大銀行グループが決算を開示する。
《市場関係者の見方》
大和証券の山田雪乃投資情報部長
米国に比べて日本株は調整からの戻りに出遅れ感があり、修正買いが入ってくるのではないか。米CPIは予想通りであれば金利高止まりの観測が後退し、日本株にとってもポジティブだ。市場の注目は個人消費支出(PCE)価格指数や雇用に移っており、CPIが予想から上振れしても相場への影響は2、3月のようにはならないだろう。
丸三証券の柏原延行常務執行役員
日米株が回復基調を持続できるかどうかはCPIが鍵を握る。発表までは様子見から方向感が出にくいが、日経平均株価は3万8000円を挟んで上下500円程度の値幅で推移するだろう。CPIを通過した後は再来週に控えるエヌビディアの決算に注目が集まる。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Momoka Yokoyama