握りはなんと80円から! 人形町にオープンした「すし光琳」の姉妹店がスゴイ
件のランチは、平日限定で握り8貫に巻物一本、卵焼きや小鉢がついて2,800円。確かにお値打ちだが、それ以上に値頃感を感じるのは、やはり夜。まず、一斉始まり交替制でないところが好ましい。好きな時間(といっても既に人気店ゆえ予約をした方が無難だが)にふらりと入り、好みの鮨をつまむ。昔ながらの町寿司の良さが、ここにはあるのだ。しかも明朗会計! 手書きの黒板メニューには、卵焼きやゲソの80円から一番高い車海老や雲丹、ノドグロの980円まで、ざっと30種余りがずらりと並ぶ。
酒飲みの食欲をくすぐる豊富なつまみも魅力
握りだけではない。つまみも豊富。旬の「真カキ」680円や「真タラの白子焼き or ポンズ」1,280円から江戸前鮨の定番「真タコの柔らか煮」1,280円、「ほたての磯辺焼き」等々、酒が進みそうなメニューの数々に思わず顔がほころんでくる。散々迷った挙げ句「ニタリ鯨のお刺身」1,180円に「甘鯛の松笠焼き」1,680円を注文。
どちらもしっかりと量があり、2人で充分楽しめる盛りの良さ。一見、馬刺しのようなニタリ鯨はナガスクジラ科の一種で、希少価値の高い一品。馬刺しよりも柔らかく、鉄分の旨みもたっぷり。それでいてクセはなく、後口は思いの外さっぱりしている。鱗をパリパリに焼いた甘鯛のほっくりしたおいしさを満喫したら、いよいよ本命の握りへ突入だ。
あの「やま幸」のマグロの赤身も一貫380円で楽しめる
白身から始めるなら「天然マダイ」か「天然ヒラメ」。あるいは「江戸前小肌」でスタートも悪くない。これらがいずれも一貫380円というのも驚きだが、しかも、あの「やま幸」のマグロの赤身も同じ値段というのだから、食欲はますます加速する。
ちなみに「中トロ」480円、「大トロ」は580円。天然本マグロであることは言うまでもない。写真を見ればお分かりだと思うが、色艶ともに遜色はなく、切り付けも肉厚。一口頬ばれば、身はしっとりと舌に馴染み、赤酢の鮨飯とのバランスも良好、口の中で一体となって解けていくようだ。握りのサイズも「寿司を食った」という気分にさせてくれる、たっぷり感がなんともうれしい。