生理用品を常備する学校トイレ、大学や中学校で動き広がる 「本当に困った時、不安な思いしないように」
経済的な理由などで生理用品が買えない「生理の貧困」が社会問題となる中、広島県東広島市内の学校で女子トイレに生理用品を常備する動きが広がっている。広島国際大は9月下旬に取り組みを始め、市教委も近く市立中全15校の女子トイレに置く。 企業の生理休暇の取得率 広島国際大は東広島と呉の両キャンパスの女子トイレ計8カ所に生理用ナプキンを備え、無償で提供している。7月に県外で実施した保護者との懇談の中で提案を受けて検討を進め、保護者でつくる後援会の支援を受けて実現させた。 取り組みを知らせるチラシを張り、QRコードを読み取るアンケートも実施。学生の声を聞きながら、設置場所の拡充なども検討する。後援会事務局で同大学長室の山本康太さん(23)は「より充実した学生生活の一助にしたい。医療や福祉の専門職を目指す学生たちが、これからの社会を考えるきっかけにもしてほしい」と話す。 一方、市教委は市立中全15校の女子トイレに生理用ナプキンを置く。これまでは保健室に備えていたが「急な時に困る」「もらいに行きにくい」といった声を踏まえ、すぐに使えるようトイレにも常備する。 昨年度は、モデル校として中央中と向陽中で取り組みを実施。置くとすぐになくなってしまうといった課題を踏まえ、設置場所やルールづくりなども各学校に考えてもらう。市教委学事課は「本当に困った時、不安な思いをせずに学校生活を送れるようにしたい」としている。
中国新聞社