「007」登場ヨットのメーカー、万達が310億円で売却へ-関係者
(ブルームバーグ): 人気映画「007」シリーズに登場したヨットを製造するメーカーを、中国の商業不動産大手、大連万達集団傘下の企業が約1億6000万ポンド(約310億円)で売却することが、事情に詳しい複数の関係者の話で分かった。売却額は、大連万達が10年余り前に支払った金額の約半分にとどまる。
情報の非公開を理由に匿名で語った同関係者によると、英ヨットメーカー、サンシーカー・インターナショナルを米ライオンハート・キャピタルとイタリアのオリエンタ・キャピタル・パートナーズに売却する。この取引は規制当局の承認を得ているという。売却は10月31日に発表されたが、条件は明らかにされていなかった。
ライオンハート、オリエンタ、大連万達の担当者にコメントを求めたが、返答はなかった。サンシーカーの広報担当者はコメントを控えた。
4月にブルームバーグ・ニュースは、大連万達とラインハートがサンシーカーについて、いわゆる売買契約(SPA)を締結したと報じていた。
大連万達は2013年半ばに「推定3億2000万ポンド」でサンシーカーの株式92%を取得した。大連万達の王健林会長は当時、中国の高級品消費の急激な伸びがこの投資を後押ししたと述べていた。だが近年は、借り入れコスト急上昇や中国政府による不動産部門への締め付けを受け、厳しい状況にさらされている。
サンシーカーは1969年、イングランド南海岸のプールでブレイスウェイト兄弟によって設立された。同社のヨットは、ジェームズ・ボンドを主人公とする「007」シリーズの「カジノ・ロワイヤル」、「慰めの報酬」、「ダイ・アナザー・デイ」に登場した。 同社の昨年の売上高は3億5000万ドル(約530億円)。
原題:Wanda Said to Sell James Bond’s Yachtmaker for £160 Million (1)(抜粋)
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Gillian Tan, Vinicy Chan