「問題の本質はスロープレーなのに!」 26年から出場枠もシードも昇格も“全部縮小”のPGAツアーを全米OP覇者が猛批判
「今のツアーにはスロープレーヤーが50人以上いる」
09年全米オープン覇者で45歳の米国人選手、ルーカス・グローバーいわく、「問題の本質は、日没サスペンデッドではなく、スロープレーだ。それなのにスロープレー問題はそのままにして、選手の人数を減らし、フィールドを縮小させるのは本末転倒だ」と怒りを露わにしている。 「20年前のツアーには、スロープレーヤーはほんの数人しかいなかった。でも今は50人以上いる。それなのにツアーがスロープレーに対して何も行わないのは、(スロープレー常習の)トッププレーヤー数人を怒らせたくないからだ」 グローバーの言葉には「トッププレーヤーを怒らせてリブゴルフに移籍されては困るからだ」という意味合いが込められている。 「トップの6人ぐらいをハッピーにするために、200人以上の選手の生活と仕事に影響を及ぼす決定を下すとは、私たち選手を馬鹿にしている」 英国出身の30歳、22年全米オープンを制したマシュー・フィッツパトリックも「ルーカス・グローバーの指摘は、きわめて正しい。縮小化では、本当の問題解決にはならない。ペース・オブ・プレーは毎年問題になっているのに、何も対策が取られていない」として、人数を減らし、フィールドを縮小することは、問題の本筋から逸脱していると声を荒げている。 スロープレー問題には直接言及せず、今回の縮小化に首を傾げているのは、メジャー3勝の大ベテラン選手、アイルランド出身のパドレイグ・ハリントンだ。 日没が近づいてきた中で、まだ18ホールを終えていないという状況下では、選手たちはみな焦り、最後には小走りにさえなるのだが、「それでも選手たちは、これまでなんとか対応してきたし、今後も対応するはずだ。プレーの進行がスローになった中でのゴルフは、ラッシュアワーの道路で車を運転するようなもので、選手の人数が多すぎるためにそうなることは頷ける。しかし、だからと言って、選手がプレーする機会を奪って解決しようというのはおかしな話だ」と、ハリントンは指摘する。 さらにハリントンは、マンデー予選やスポンサー推薦の枠を減らしたり撤廃したりすることに対しても、絶対反対の意見を口にした。 「マンデー予選は(ゴルフの試合において)最もエキサイティングなものだ」 シンデレラボーイの誕生に人々が沸き、歓喜する場面が今後は見られなくなるであろうことを、ハリントンは嘆いている。