夫の年収は「550万円」ありますが、全く貯金が増えません。月収の変動が激しいからでしょうか?老後資金を効率よく貯めるにはどうしたらよいですか?
年収で見るとある程度の金額があっても、フリーランスなどで月収が安定せず収入が上下する方はいるでしょう。収入が一定でない場合は、収入状況に応じた貯蓄形成が必要です。 効率よく貯金するために、将来必要なおおよその費用なども確認しておきましょう。今回は、収入が変動しやすいときの管理方法や安定した貯蓄形成の方法などについてご紹介します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
変動する収入を管理する方法
フリーランスで働いていたり不定期でアルバイトをしていたりする場合、収入は毎月同じとは限りません。月によって収入が変動するため、収入が多いときだけでなく少ないときも余裕を持って生活できるよう、生活費を見直しましょう。 生活費の見直しで大切な点は「月収が最も低いときの生活に合わせて貯金すること」です。例えば、月収が40万円で生活費を30万円、貯金を10万円に振り分けていたとしましょう。月収が50万円に増えても生活費を30万円におさえておくと、20万円の貯金が可能です。 しかし、「貯金は10万円」と貯金する額に基準を合わせてしまうと、月収50万円のときに貯金10万円を除いた40万円を生活費として使ってしまいます。月収40万円のときと比べると、生活費は10万円の増加です。 収入が安定しないときは貯金額を決めておくのではなく、生活費を先に決めてそれ以外を貯金に回すと、貯金がしやすくなります。
安定した貯蓄形成の方法
安定して貯金をするためには、先述したように毎月の生活費を先に決めましょう。自分でお金を振り分けられる場合は問題ありませんが、あると使ってしまう方は生活費用と貯金用で口座を分けることがポイントです。 また、自動積立預金やNISA(少額投資非課税制度)を利用して適切に資産を分散すると、より安定した貯蓄形成にもつながるでしょう。NISAでは、運用を通じて得た収益が一定金額まで非課税のまま保有できます。金融庁 NISA特設ウェブサイトを基に、NISAの種類ごとの特徴をご紹介します。 つみたて投資枠 ●年間投資枠は120万円 ●非課税で保有できる上限額は成長投資枠と合計して1800万円 ●選べる投資先は金融庁が認めた投資信託のみ 成長投資枠 ●年間投資枠は240万円 ●非課税で保有できる上限額は1200万円 ●選べる投資先は上場株式や投資信託など もし2万円を年利5%で20年間運用すれば、運用収益は342万円になります。元本と合計すると822万円です。長く運用すれば、それだけ多くの貯蓄形成ができます。 ■将来必要な費用とは 総務省統計局の公表する「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、2023年時点で65歳以上かつ無職の夫婦世帯の平均消費支出は25万959円、非消費支出は3万1538円の合計28万2497円です。一方、収入は社会保障給付なども合わせて24万4580円のため、収入だけでは毎月3万7916円不足します。 不足分は貯金から補うため、まとまった金額の貯金がないと老後の生活で苦労する可能性もあるでしょう。例えば、95歳まで生きる場合、「3万7916円×360ヶ月(30年)」で1364万9760円必要です。1000万円以上のお金はすぐに用意できないので、早いうちからの貯金が重要です。 自分の両親を介護する予定であるなら、介護費用や施設利用料などさらに費用がかかります。現状の貯金では将来が不安な場合は、夫だけでなく自分も副業を始めるなどして収入源を増やすことも検討しましょう。