【沖縄タイムス・屋良朝輝の映画コレ見た?】ポッド・ジェネレーション 「人工子宮」を巡る葛藤
これまでの人生で、喜びから自然と涙があふれた最初の瞬間は長女が生まれた時だった。切迫早産の恐れがあり、妊娠3カ月からキャリアを中断して出産に臨んだ妻には頭が上がらない。 【写真】仲間由紀恵さんと「TRICK」堤幸彦監督が再びタッグ 沖縄オールロケ映画「ステップ」2025年公開予定 物語の舞台は、AI(人工知能)が日常生活をサポートし、触れる自然も全てが人工物の米ニューヨーク。ハイテク企業に勤める妻は昇進を機に、福利厚生として卵形ポッド「人工子宮」での妊娠を提案される。キャリアを中断せず、身体的負担もないポッドでの妊娠を望む妻。植物学者で大学講師の夫は自然妊娠を望むが、話し合いの結果、ポッドでの妊娠を選ぶ。 かいがいしく世話をしてポッドとの愛着関係を築く夫。おなかの大きな妊婦に憧れの目を向ける妻。出産までの10カ月間、さまざまな葛藤の果てに夫婦はある決断を下す。クライマックスの出産シーンは、自分の子どもと重なり、思わず涙ぐんでしまった。(学芸部・屋良朝輝) ◇パレットで上映中。1月5日からプラザハウス。